高田一宏
大阪の「教育非常事態」宣言から16年、大誤算のなぜ…学力は上がらずむしろ不登校・暴力・いじめが増加
橋下徹大阪府知事(当時)は2008年、「教育非常事態」宣言を発令。大阪の小中学生の学力低下問題を解決すべく、橋下は新自由主義的な教育改革を大胆に推し進め、学校を競わせ、生徒たちを競わせた。だが、学力は伸び悩むまま、高校の不登校者数が全国1位になり、暴力といじめは増加。なぜこうなってしまったのか、新自由主義的な教育改革の問題点を問う。※本稿は、高田一宏『新自由主義と教育改革 大阪から問う』(岩波新書)の一部を抜粋・編集したものです。

大阪維新「改革」の副作用が全国へ、「私立高校授業料無償化」で公立セーフティネット高校が潰される皮肉
2000年代、新自由主義の名の下に政府はさまざまな改革を推進したが、その波は教育にも及んだ。その先端を走るかのように、大阪では橋下徹大阪府知事(当時)が大胆に改革を実行したが、結果は今ひとつ。むしろ競争の激化によって定員割れが続き、特別な支援を必要とする子どもたちのセーフティネットとして機能していた学校が続々と閉校に追い込まれる結果となってしまった。※本稿は、高田一宏『新自由主義と教育改革 大阪から問う』(岩波新書)の一部を抜粋・編集したものです。

障害児童も外国人も普通学級でともに学ぶ!大阪の「全てを包み込む教育」の原点が先進的だった
障害の有無で分け隔てられることがない「インクルーシブ教育」の必要性が説かれている昨今。しかし、大阪では、すでに1970年代頃から障害児や外国籍の子どもが普通学級で共に学ぶことが推し進められてきたのだ。インクルーシブ教育を先駆けて実現していた大阪の原点は、同和教育にあった。多様なバックグラウンドを持つ人たちがつながる共生の社会を作り上げるには、どうすればいいのか。※本稿は、高田一宏『新自由主義と教育改革 大阪から問う』(岩波新書)の一部を抜粋・編集したものです。
