深田晃司
映画監督の「俳優ワークショップ」がハラスメントの温床になる残念な理由
日本映画界にオーディション文化が根付いてないことや、制作費の低予算化によって人気を博した「ワークショップ映画」。それらは映画監督が「講師」を務め、応募してきた俳優が「生徒」として参加するケースが多く、監督やプロデューサーは“選ぶ側”であり、俳優は“選ばれる側”という「権力勾配」が根底にある。結果、パワハラ・セクハラにつながりやすい世界となっているが、はたして、防ぐ手立てはあるのか?映画監督の深田晃司氏が、業界を変える方法を提言する。※本稿は、深田晃司『日本映画の「働き方改革」現場からの問題提起』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。

製作費100万円以下!「超低予算映画」の異常なやりがい搾取、監督が自腹を切るケースも
映画製作関連のワークショップは映画監督を目指す人や、俳優が演技を学べる場として人気が高い。一時は予算100万円以下で作られる“超低予算ワークショップ映画”が隆盛を迎えた。俳優や業界志望の参加者たちは受講料を払い「監督やプロデューサーと知り合いになれるかもしれない」「仕事がもらえるかもしれない」という期待を抱いて臨み、実際に映画を制作する。しかし、長年映画監督として業界に身を置く深田晃司氏は、この手法を「典型的なやりがい搾取」と断言する。そのいびつな仕組みとは。※本稿は、深田晃司氏『日本映画の「働き方改革」現場からの問題提起』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。

ラブシーンでの根深いセクハラ、俳優たちに今すぐ渡したい「触ってほしくないチェックリスト」
近年、世間を騒がせている芸能界の性加害問題。とくに日本の映画業界は、事前の相談なしに激しいラブシーンの撮影を俳優に要求したり、キャスティングへの影響を考えて“ハラスメント”を受け入れざるを得ない状況になったりと、当事者が苦しみを抱えやすい状況にあるという。映画監督として現場に携わる深田晃司氏が、撮影時に発生しがちなセクシャルハラスメントを例に解説する。※本稿は、深田晃司氏『日本映画の「働き方改革」現場からの問題提起』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。
