松田晋吾
地域新聞社 上場廃止危機に挑む1000日#6
部数減、広告低迷……。メディアに逆風が吹く中、地域新聞社の細谷佳津年社長は「メディア事業そのものに強みがある」と断言する。CFO出身の投資家視点で見抜いた、紙媒体が長年培ってきた物流網や読者データの真価とは。ウルフパックとの攻防という激流の中にありながら、メディアの持つ潜在的なアセットをいかに再定義し、新たなビジネスへとつなげられるのか。細谷社長に聞いた。

地域新聞社 上場廃止危機に挑む1000日#5
「紙媒体のフリーペーパー発行会社」からの脱却を掲げ、事業構造の転換を進める地域新聞社。紙媒体の発行で培ってきた配布網や読者データをアセット(資産)と位置付け、M&Aや生成AI関連など、従来とは異なる新規事業を次々と打ち出している。もっとも、こうした分野はいずれも社内に前例がなく、ノウハウも乏しい。そこで同社が選んだのが、外部の専門知見を経営に組み込む戦略だ。リスク管理、生成AI、マーケティングなど、ビジネスの第一線で活躍する6人の専門家で構成するアドバイザリーボードを設置し、新規事業推進のエンジンとして活用している。

地域新聞社 上場廃止危機に挑む1000日#4
「これまで株主を意識したことはなかった」。そんな組織が、上場廃止の危機を前に激変した。CFO出身の細谷佳津年社長のもと新設されたIR部署は、メディア企業ならではの編集力を武器に、投資家との対話を開始。投稿サイト「note」での本音の発信や、驚異の利回り158%をたたき出す破格の株主優待をテコに、株主数は1年半で2.5倍に急増した。地元の愛読者を「株主」に変え、時価総額40億円への突破口を開く――。知られざる「伝えるプロ」たちの資本市場サバイバル術を明らかにする。

地域新聞社 上場廃止危機に挑む1000日#3
地域新聞社は2025年4月、新たなビジネスモデルとして「地域共創プラットフォーム」構想を発表した。千葉県を中心とする地場企業の買収対価として自社株を交付し、非上場企業のオーナーに「上場株の流動性」を提供するスキームだ。地域密着型メディアとして築いたネットワークと上場地位を掛け合わせた点が注目を集め、千葉銀行や福岡市との連携など全国的な広がりを見せる。しかし、26年8月の上場維持期限が迫る中、案件の進捗遅れやウルフパック問題の影が投資家の期待に冷や水を浴びせた。地域の事業承継問題も解決し得る挑戦は、時価総額40億円への突破口となるか。その取り組みに迫る。

地域新聞社 上場廃止危機に挑む1000日#2
東証グロース市場で2024年2月、時価総額ランキングの最下位に沈んでいた地域新聞社。千葉・茨城を地盤に紙のフリーペーパー『ちいき新聞』を配布するビジネスモデルは、投資家から見放されていた。しかし新たに就任した細谷佳津年社長は、毎週174万世帯に届く物流網と地域との接点を、最強の「アセット(資産)」と再定義。M&Aや生成AI関連など新規事業を次々と打ち出し、時価総額は1年で約4倍の30億円まで押し上げた。上場維持基準である時価総額40億円の期限まで残りわずか。紙メディアの逆襲、その勝算に迫る。

地域新聞社 上場廃止危機に挑む1000日#1
2024年初頭、千葉・茨城でフリーペーパー「ちいき新聞」を配布する地域新聞社は、東証グロース市場で時価総額最下位に沈んでいた。紙媒体、しかも地域限定。投資家の目に、このビジネスモデルは将来性を欠くものと映っていた。24年2月に社長に就任した細谷佳津年氏は、経営戦略を大きく転換し上場維持基準の時価総額40億円達成を目指す。その期限は、26年8月。就任から期限まで約1000日のカウントダウンが始まった。一方、水面下では同社の経営権奪取を狙い、複数の投資家がひそかに株式を買い進めていた――。紙の地域メディアは経営を立て直し、上場を守り抜けるのか。地域新聞社の1000日に密着する。
