地域共創プラットフォームについて説明する地場博文執行役員 Photo by Shingo Matsuda
地域新聞社は2025年4月、新たなビジネスモデルとして「地域共創プラットフォーム」構想を発表した。千葉県を中心とする地場企業の買収対価として自社株を交付し、非上場企業のオーナーに「上場株の流動性」を提供するスキームだ。地域密着型メディアとして築いたネットワークと上場地位を掛け合わせた点が注目を集め、千葉銀行や福岡市との連携など全国的な広がりを見せる。しかし、26年8月の上場維持期限が迫る中、案件の進捗遅れやウルフパック問題の影が投資家の期待に冷や水を浴びせた。地域の事業承継問題も解決し得る挑戦は、時価総額40億円への突破口となるか。長期連載『メディア興亡』内の特集『地域新聞社 上場廃止危機に挑む1000日』では複数回にわたり、地域新聞社の1000日に密着。第3回の本稿で、地域新聞社の新たな取り組みに迫る。(フリーライター 松田晋吾)
上場株で買う「地域の未来」
第1号案件がIT企業と合意
2025年11月、地域新聞社は「地域共創プラットフォーム」の第1号案件として、IT人材の職業紹介事業などを展開する株式会社UniGrowth(東京都千代田区)との経営統合に向けた基本合意書を締結した。
UniGrowth株の100%を取得し完全子会社化する。対価は現金ではなく地域新聞社株だ。
地域新聞社は求人向け折り込みチラシの制作・配布に加え、奨学金返済義務のある求職者に対して就職後3年間、月額1万円を支援するなど独自の就職支援策を打ち出してきた。人材ビジネスに知見を持つUniGrowthとの統合で事業基盤の強化を狙う。現在はデューデリジェンスを進めており、26年2月にも最終契約を結ぶ見通しだ。
地域共創プラットフォーム推進室長の地場博文執行役員は、「先行事例がないので仕組みや思いなどを丁寧に説明している。また上場企業なのでシナジー効果が求められ、マッチングに時間がかかった」と説明する。
構想発表から半年以上。ようやく具体案件が姿を現した。だが、なぜ同社は現金ではなく株による買収にこだわったのか。次ページでは、不動産金融の最前線を知る細谷佳津年社長が編み出した、中小企業の悩みを解決する「株式交付」の驚きのメカニズムと、全国に広がる提携の舞台裏に迫る。







