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なぜ「訳あり商品」は大人気?
不況に打ち勝つ“スマート消費”の実態

【第11回】 2010年3月24日
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 表面にヒビの入ってしまったケーキや足の折れてしまったカニなど、ちょっとした事情でとてもお買い得な「訳あり商品」。一昨年頃から朝の情報番組などで繰り返し取り上げられ、主婦層を中心に話題となっている。もちろん味や品質に問題はなく、ネットで手軽に購入できることもあって大変な人気だ。

 実際に主婦たちは、どのような「訳あり商品」を購入したいと思っているのだろうか。ヤフーバリューインサイト(東京都中央区)が首都圏に住む20~59歳の女性400人にアンケートし、その実態を探った。

 アンケートでは、商品を「野菜類」「菓子類」など32カテゴリに分け、それぞれ「正規品を通常価格で購入」「訳あり品を購入」「もらう」「物々交換」などのうち、どの方法で入手するかを複数回答で選ばせている。

「見た目」にこだわらない野菜
「賞味期限間近もOK?」の生菓子類

 そのなかで40%以上の回答者が「今後、積極的に利用していくと思う」と答えたのが「見た目に多少難あり」の訳あり野菜・果物。ただし、訳ありの理由が「賞味期限間近・在庫処分」だと利用意向は10%程度までぐっと下がってしまっている。

 逆に、「見た目に多少難あり」よりも、「賞味期限間近・在庫処分」でもいいと回答した人が多かったのはケーキやプリン、羊羹などの生菓子類。野菜のように調理する素材ではなく、加工品をそのまま食べることから、見た目を重視する傾向があるようだ。実際に「見た目に難あり」商品の利用は40%台の野菜の約半分である20%台に留まったのに対し、「賞味期限」に関しては20%前後と野菜類よりも高い結果となった。

 さらに、他の商品よりも「正規品を通常購入する」割合が低かったのが、ブランド牛肉やカニ・エビなどの高級な甲殻類。野菜類や菓子類では「正規品を購入する」割合が70%程度だったのに比べ、50%前後に留まった。また、訳あり商品への関心は牛肉類よりもカニ・エビがやや高い傾向にある。もともと「訳あり商品」がネットでブームとなった発端は北海道のカニ卸専門会社が足折れカニを売り出したことだったともいわれており、その知名度の高さが利用意向に結びついたのかもしれない。

 

「訳あり」買わない層も
“身の丈消費”には共感

 同アンケートでは、「訳あり商品を選ぶ」と答えた人とそうでない人の消費に関する意識も調査。訳あり商品を選ぶと答えた人は、「安く手に入れるための情報収集や労力は欠かさない」など安く購入することへのこだわりや、「見栄をはらずに、自分の身の丈にあった生活を送りたい」などの“身の丈消費”への関心が強いことがわかった。

 とはいえ、まだまだ先の見えない不況の続く現在。身の丈消費への関心や、安く購入することへのこだわりは、訳あり商品を購入しない層でも50~70%と低いわけではない。まだ訳あり商品に興味を持っていない層も、今後何かをきっかけに利用し始めることも考えられるだろう。

 ヤフーバリューインサイトでは、「賢く買う」「持たない」「買わない」などの新しい消費スタイルを「スマート消費」と名付けている。インターネットの普及などにより情報が手に入れやすくなった現在、「賢く買う」ことは昔よりも簡単になった。この不況下で人々の心を掴んで離さない「訳あり商品」は、まだまだ人気を維持しそうだ。

(プレスラボ 小川たまか)

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