2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】#5Photo:PIXTA

不動産市況は堅調で、不動産大手の業績も絶好調だ。だが、先行きは金利上昇や、人手不足を背景とする建築費の高騰などの懸念も存在する。特集『2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】』の#5では、不動産業界の倒産危険度ランキングを検証。“危険水域”にランクインした69社の顔触れを明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

絶好調の不動産業界にくすぶる懸念
不動産69社の倒産危険度ランキング

 堅調な不動産市況を追い風に、不動産大手の業績は絶好調だ。住友不動産が8月に公表した2024年4~6月期決算では、営業利益は前年同期比25.6%増の981億円となった。これは同期間では過去最高となった。三井不動産も同期に最高益を更新した。新型コロナウイルス感染拡大の収束で、オフィス回帰の流れが強まりオフィス賃貸事業の追い風になったほか、インバウンド(訪日外国人観光客)の増加でホテル事業も好調だった。

 ただし、先行きに懸念がないわけではない。一つが、外部環境の変化だ。日本銀行は3月にマイナス金利政策を解除して、17年ぶりに利上げに踏み切り、7月には追加利上げを決定した。日銀の植田和男総裁は利上げの継続を示唆している。

 金利が上昇すれば、不動産業界には逆風になる。資金の調達コストが上昇するほか、販売用不動産を保有する不動産会社は利払い負担が大きくなり、収益悪化につながる恐れもある。

 それだけではない。東京都中野区は10月、同区のシンボル的存在で昨年7月に閉館した「中野サンプラザ」の跡地の再開発計画を見直すと明らかにした。当初、野村不動産などの事業者が事業費2639億円の計画を作成したが、9月に物価高騰などを理由に総事業費のうちの工事費が想定よりも900億円超上振れする見通しとなったためだ。ゼネコン大手の清水建設が工事を請け負う予定だったが、資材費や人手不足による人件費の高騰が、不動産事業者のプロジェクトのボトルネックとなっている。

 では、足元の不動産各社の動向はどうか。ダイヤモンド編集部は今回、不動産業界の倒産危険度ランキングを作成。その結果、69社が“危険水域”に入っていることが判明した。

 次ページで、不動産業界の倒産危険度ランキングを明らかにする。大手不動産では東京建物がワースト10入りしたほか、財閥系大手3社もランクインした。