「君が出世したいなら、○○部長の派閥に入れ」
あなたはそんな勧誘を受けた経験はありますか?それとも「そんなの昔の話だろ」と思っていらっしゃるでしょうか。
『派閥』とは、職場で力のあるリーダーを中心に自主的に形成されてた集団です。決して、会社が組織したわけではありません。にも関わらず、派閥は会社の人事や出世競争に大きく影響してきました。ですから、以前であれば、キャリア志向のある社員は“嫌でも”派閥に属したものです。
つまり、ビジネスパーソンにとって派閥との関わりは、ある意味【避けられない宿命】のようなものでした。
ところが、最近では「派閥は面倒」「うざい」と、派閥に背を向けたマイペースな中立派な社員も増えてきています。
そこで、これまで主流だった派閥間の対立から、新たに“中立社員“と未だに派閥に属する“派閥社員”との対立が生まれ始めているようなのです。
両者の間には、どのようなギャップが生じ、どんな問題が起きているのでしょうか。今回は、中立社員が増えてきた背景を説明しながら、「中立社員と派閥社員」のギャップ解消法を考えていきましょう。
なぜ派閥は生まれるのか
どんな組織でも人数が増えれば、必ずと言っていいほど派閥が生まれます。
その最たるものが、政界です。同じ政党内であっても、勢力争いが起こり、力のある政治家の下に一定人数が集まることで派閥が形成されます。
民間企業も同様です。例えば、
■将来の役員候補である部長2人を担ぐ部下の派閥
■仕事の進め方の違いから出来た工場単位の派閥
など、会社経営に影響をきたす可能性のある集団として形成されています。そこまでの影響力はなくとも、社内で自主勉強会を主催する集団など、組織が10人以上になると不思議と派閥は生まれるものです。
もちろん、派閥の中で仲良く勉強会をしたり、会食したり、と親睦を深めるだけなら何の問題もありません。ところが、派閥は常に対立にさらされています。なぜでしょうか――。それは、派閥に「権力闘争」がつきものだからです。