「元祖二刀流」の大投手がなぜ…米田容疑者だけじゃない、晩年が哀れな名プロ野球選手たち2000年、野球殿堂入りの正式発表を受けた米田哲也氏 Photo:JIJI

缶チューハイ万引きで逮捕
米田氏だけではない残念な元有名選手

 誰もが大谷翔平をはじめとする日本人選手の大リーグでの活躍に浮かれていますが、私のようなNPBファンには元プロ野球選手の寂しい晩年が気になります。

 つい先日も、元阪急の米田哲也投手(87歳)が缶チューハイ万引きで逮捕されるニュースがありました。スナック経営に失敗、1億円以上のマンションも手放して、認知症の疑いもあったようです。

 しかし彼の記録を見ると、現代に生まれていたら、大谷より先に二刀流として活躍していたかもしれない大選手なのです。通算949試合登板は歴代2位(2017年に中日の岩瀬仁紀に抜かれるまでは1位。しかし岩瀬は救援専門、米田は先発なので投球回数は米田が上)。通算350勝は金田正一の400勝に次ぐ歴代2位で、右腕では歴代1位。他にも奪三振、投球回数、被安打、与四死球は、この2人が左右の投手のそれぞれ歴代1位(与四死球に関しては米田のほうが多い)です。

 入団時は打撃練習で当時の阪急の4番打者より飛ばし、野手転向を首脳陣は勧めますが、「まず投手、失敗したら打者」と高卒(鳥取県立境高校)らしからぬ回答で投手を選びました。通算本塁打も33本で投手では金田正一につぐ歴代2位。また投手として唯一、満塁本塁打とサヨナラ本塁打の両方も記録しています。これだけの選手に対して、日本球界は冷たすぎるのではないでしょうか。

 こうした例は、実は少なくありません。現役時代に名選手と呼ばれた人たちの変わり果てた近況を、ある日突然、ニュースで耳にして驚いたという人もいるでしょう。

 たとえば3年前の22年、マサカリ投法で人気だった村田兆治投手(享年72)が自宅の火事でなくなったという報道は、世間を騒がせました。「火元がない2階で出火し、死因は隣室での一酸化炭素中毒でしたが、出火時に眠っていたとしたら遺体はベッドで見つかるはず。自殺の疑いもありました」(警察関係者)。亡くなる2カ月前、村田さんは羽田空港の保安検査場で暴行騒動を起こし、現行犯逮捕されています。自分を責めての自殺説が残るゆえんです。

 村田投手も通算215勝。引退してからも140キロ以上のボールを投げるシーンを何度もテレビで見ました。そんな村田投手が亡くなった翌年、1月24日にも大選手が孤独死を遂げています。南海ホークスなどで活躍した門田博光外野手(享年74)です。身長170センチながら豪快なスイングで本塁打を量産。通算567本は王貞治、野村克也に続く、NPB史上3位です。晩年は、一人暮らしで重病に。門田さんの第一発見者は、病院から「来院予定の門田さんが来ない」という通報を受けて、自宅にやってきた警察官でした。