
鼻水や涙、鼻づまり、そして眠気……花粉症の人にとってはつらい季節だ。スギ花粉が落ち着いたと思ったら、4月からはヒノキ花粉が飛び交う。毎年悩まされる花粉症はなんとかならないか。専門医に最新の治療法を聞いた。(取材・文/日本文章表現協会代表理事 西田延弘)
花粉症になる人とならない人は
何が違うのか
3月末ごろにスギ花粉のピークが過ぎると、4月からはヒノキ花粉のピークがやってくる。
花粉症はスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉に対してアレルギー反応を起こす症状だが、その患者は全国で約3000万人いるといわれている。その有病率は、1998年で19.6%、2008年で29.8%、2019年には42.5%となり、10年ごとにほぼ10%ずつ増加してきている(日本耳鼻咽喉科学会会報123より)。まさに日本国民全体が悩まされている現代病だと言えるだろう。
では、そもそも花粉症はどうやって起こるのか。
「花粉に一定期間接触していると、体内に抗体という特殊なタンパク質(IgE抗体)が作り出され、この抗体と花粉(アレルゲン)が反応して結合します。これが引き金となって、マスト細胞という細胞の表面から、炎症を起こすヒスタミンやロイコトルエンなどの物質が出現し、鼻や目の粘膜に作用して花粉症の症状を引き起こすのです」
こう解説するのは、日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野教授の大久保公裕氏だ。ただし、花粉に長い間接触しても症状が現れない場合もある。それは遺伝や生活環境、抗原への暴露量などが要因として考えられる。
一般的な花粉症の症状は目のかゆみや鼻水、鼻づまりなどだが、重症化すると鼻づまりで夜眠れなくなったり、喘息のような咳が止まらなくなったり、微熱が続いたりすることもある。また、皮膚のかゆみも全身に出る可能性がある。