
グローバルでの激しい競争を勝ち抜いてきたSUBARUの「フォレスター」。強みは独自の商品力だ。6代目となった今回はデザインも走りもSUVらしさを強調。見方を変えると、特殊なSUVから「真のSUV」へとフォレスターの方向性が大きく変わった。その進化を体感した。(ジャーナリスト 桃田健史)
新型「フォレスター」が「正統派SUV」を名乗る意味
似て非なるもの。
SUBARUの新旧「フォレスター」を見て、触って、そして走って、そう感じた。6代目にして、フォレスターは“真のSUV”になったといえる。
今回の試乗の舞台は、房総半島の内房、千葉県木更津市の袖ヶ浦フォレスト・レースウェイだ。これまで、「インプレッサ」「クロストレック」「レヴォーグ」などさまざまなSUBARU車のメディア向け試乗会が行われてきた場所である。筆者はそうした過去の経験から新型フォレスターの走りを旧フォレスターのみならず、SUBARU各モデルと比較することもできた。
今回用意された車両は発表前のプロトタイプであるため、サーキット内走行のみだった。
ただし、フォレスターという商品性から、スピードを上げてコーナーをガンガン攻めて走るというのではなく、高速道路や一般道路での走行環境を想定し、かつ危険回避の状況も交えた評価をしてみた。
まずは、外観から見ていこう。
ボディサイズは、全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mm。これは、全長と全幅それぞれで15mmの拡大なのだが、実車の印象では新型はかなり大きく見える。
表現を変えれば、大きく見せているのだ。
ただ大きく見えるだけではなく、まるで“別のクルマ”と感じるほど、デザインが違う。具体的には、正面から見ると寸法以上のワイド感がある。ヘッドランプとグリルを軸の通った連続デザインとしたからだ。サイドビューでは、ボディのキャラクターラインをなくした。旧モデルではクルマ全体が前傾に付いているようなスポーティー感を強調していたが、新型では水平基調でドッシリとした安定感を狙った。
ホイールベース2670mm、最低地上高220mmは新旧モデルで変わらないことからも分かるように、クルマの基本骨格であるプラットフォームは新旧モデルで大きく変わっていない。
車内に入っても、SUVらしさが増していることがすぐに分かる。ダッシュボードが下から垂直に立ち上げる造形で、ドアを含めて前席全体がしっかりと囲われている。
スポーティー性と斬新性を強調していた旧型と比べると、いわゆる“大人の雰囲気”になった印象だ。
では、SUBARUはなぜ、フォレスターのイメージチェンジを決断したのか?