
日本人の死亡原因は、がん・心疾患・脳血管疾患がトップ3だが、近年は「誤嚥性肺炎」が増加している。いまや高齢者にとって、3大疾患にも劣らぬほどの大きな死亡リスクとなっているのだ。食べかすなどから繁殖した口の中の細菌を、知らないうちに気道から肺に吸い込んでしまう誤嚥性肺炎の予防法を、呼吸器内科のスペシャリストが解説する。本稿は、大谷義夫『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。
肺炎を起こしやすい生活習慣を
セルフチェックしよう
誤嚥性肺炎を中心にお話ししたいと思います。そこでまず、下のリストをチェックしてみてください。誤嚥性肺炎を起こすリスクがあるかどうかを自分で確認することが目的のチェックリストです。

(1)は高齢であるかどうか。高齢であるほど、免疫力が低下している可能性があるので、リスクは高くなります。
(2)~(6)は動脈硬化のリスク。「誤嚥性肺炎と動脈硬化がどういう関係にあるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。でも大きな原因の1つなのです。その理由はあとで詳しく述べますが、例えば高血圧や糖尿病などで動脈硬化が進んでいると、脳の嚥下反射やせき反射(編集部注/気道に異物が入ったときに起こる防御反応で、咳をすることで異物を体外に排出する反射運動)を起こす機能が低下して、誤嚥しやすくなります。
(7)は逆流性食道炎(胃食道逆流症)があるかどうかのチェックです。胸焼けは胃酸の逆流によって起こります。胃食道逆流症は誤嚥性肺炎のリスクとして知られており、胸焼けしやすい人は誤嚥性肺炎のリスクも高くなるのです。
(8)~(10)はのどの筋力低下があるかどうかをチェックしています。
年齢が上がるほど誤嚥しやすくなりますが、その大きな原因の1つはのどの機能の衰え。なかでも飲み込む力が衰えてくると、誤嚥しやすくなります。
飲み込む力に必要なのは、のどの筋力。例えば、1人暮らしの高齢者など、人と会話する機会が少ない生活を続けていると、のどの筋肉を使わないので、だんだん筋力が衰えていきます。
また、のどに違和感があったり、声がかすれたりするのも、のどの筋力が低下している可能性があります。