上司――。
その存在は、多くの会社員を悩ませる。上司への接し方を間違えると、会社員人生が大きく変わってしまうこともある。
連載8回目は、仕切らないと気が済まない性分の“ストーカー部長”に仕え、悶々とした日々を送りながらも、最後はその会社を離れた30代の男性社員を紹介しよう。
あなたは、彼の決断を「負け組社員からの脱出」と受け止めるか、それとも「さらに負け組社員へと転げ落ちていく1歩」と捉えるか、どちらだろうか。
筆者は、安易な退職には強く反対する立場をとっているが、今回は違う。「負け組社員」から脱出するには、会社でうまく立ち回るばかりが能ではない。この社員については、辞めないと会社員人生が破綻する危機さえ感じる。
この社員の上司はそれくらい異常であり、ヘタをすれば“ストーカー”呼ばわりされても仕方のない人物だ。このような輩とは、縁を切ってよかったと思う。
あなたに問いたい。こういう上司の下で、仕事をできるだろうか?
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■今回の主人公――はい上がろうとする「負け組社員」
吉岡 久(35歳・仮名)
都内の中堅教材編集制作会社(社員数150人)の広報部で働く編集者(非管理職)。5年前に中途採用試験で入社したものの、仕切りたがり屋の部長(48歳・課長兼務)と仕事の進め方をめぐって衝突。最後は、そんな上司に嫌気がさして退職を決意する。
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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)
自分が中心にいないと気が済まない!
“嘘つき部長” が仕切る憂鬱な職場
たった今、吉岡 久は辞表を出した。
5年間にわたって仕えた上司であり、広報部長(課長兼務)の城田に挨拶をして、会社をあとにした。