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ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

スマートテクノロジーに
日本の経営者は及び腰

――世界10ヵ国のCxO調査で分かったこと

安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]
【第21回】 2016年9月5日
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日本企業のIT投資は
率も額も少ない

 一方で日本のIT投資は、もちろん会社にもよりますが、大きな意味では部分最適で、「在庫管理システムの老朽化に伴うシステム更改」「営業支援システムの刷新」といったものが、多くを占めているように感じます。

 ずいぶん前にも書きましたが、日本のIT投資の売上に占める割合は1%程度で、そのうちの新規IT投資は40%程度、北米に比べると、「4分の1」から「6分の1」という数字があります。これは、ITをリターンを生み出す投資とみるか、コストとみるかの差なのではないかと思っています。

 この差を埋めるためには、1%を少しでも上げていく努力も必要ですが、同時に、この1%の使い方、つまり、投資の集中と選択が必須だとも、感じています。

デジタルによる生産性の向上

 また、我々が日々直面している課題として、「デジタルによる従業員の生産性の向上」に横たわる、日本の組織の壁も感じています。
「デジタルによる生産性の向上」は…。

 朝、コーヒーショップに立ち寄り、タブレットを開けると、今日の訪問予定が含まれた社内ポータルが表示されます。その中には、メールでやり取りされたコンタクト履歴も、事前登録されたメールアドレスから判断され自動連係されて表示されています。見てみると、訪問先から難しい質問が来ており、回答するために、海外の助けを求めます。社内SNSを通じ音声入力と自動翻訳を使って、関連コミュニティーに投稿すると、すぐに答えが返ってきて、ドキュメントが紹介されています。同時に、同じ資料を見ている人が良く見ている資料が「リコメンド」されています。

 この資料も有益だったため訪問予定にタグ付けします。すると、オフィスの予定表システムにもシンクロされます。加えて、請求書の処理が滞っていることがアラートされています。内容を確認し、これも訪問予定にタグ付けします、これらを30分程度で行い、客先に向かいます。

 上記の例は、これまでの定義で言う、社内ポータルがあり営業支援システムがありSNSやチャットを支援するUCC(ユニファイド・コミュニケーション&コラボレーション)」があり、会計システムがあり、文書管理システムがあり、音声認識や自動翻訳まで組み込まれています。

 これらを有機的に統合したものが「デジタルワークプレイス」なのです。

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安間 裕
[アバナード株式会社 代表取締役]

団体系保険会社、外資系商社を経て、1998年にアクセンチュアに入社。その後外資系広告代理店を経て2001年に再度アクセンチュアに入社、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立に携わり2002年8月に同社代表取締役社長に就任。2009年アクセンチュア執行役員アウトソーシング本部長、2010年執行役員ビジネスプロセス・アウトソーシング統括本部長を歴任。副社長としてフューチャーアーキテクトの経営に携わった後、2014年4月にアバナードに入社。1982年明治大学文学部文学科フランス文学専攻卒。1959年生まれ。

ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

IT業界のフロントランナーである筆者が、日本企業の経営やビジネスの最前線で働く人々に向けておくる連載第2弾。昨今のITで起きていることを、いわゆる「Buzz Word(はやり言葉)」としてではなくビジネスの言葉で解説。客観的データを基にした冷静な分析で、今日から仕事への意識を変えられるヒントを提供する。

「ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える」

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