水曜と木曜の間に
楔を打ち込む

加藤 正直、「Weeklyのメッセージ」を見て驚きました。えらく丁寧で長文だな~と。

和田 え、長いかな?160字ぐらいですよ、Twitterレベル。

加藤 読むのは一瞬かもしれませんが、他の手帳と比べたら長いですよ。だって通常手帳に書いてある言葉って、「時は金なり」みたいな名言・金言じゃないですか。一言ズバリ、みたいな。

和田 ああそうか。「時は金なり」だとあっさりし過ぎていて、脳内に響かないかも……。言葉の長さは問題ではなくて、コピーライターが考えるコピーも、1行なのに発見があって行動が変わる名コピーがありますよね。長い短いではなく、行動を促す言葉かどうかが重要なんだと思います。

加藤 促すような言葉というより、“問い掛け”なんだ。

和田 うん、問い掛けているのかもしれない。

加藤 僕が感じたのは、和田さんに160字でじっくり問いかけられることで、ユーザーはそれを受けて自問できると思ったんです。それが和田さんとユーザーとの間接的な対話になっているのだと。

和田 そうであれば嬉しいです。だって、1年52週も営業活動してれば、どこかでマンネリ化したり、しんどくなったり、手を抜いたり、ラクなほうに流れるのが人ってもんです。言葉はすごく大事じゃないですか。言葉で心を入れ替えたり、言葉でやる気をもらったり、背中を押されることって私はあるし。

加藤 背中を押される……手帳にはどんな言葉が?

和田 そうですね。いま使っている2016年版の22週目を読み上げますね。

「初対面の人の輪に入っていくコツは『私ってすごいんだ』と思い込むこと。そして堂々とすること。どうしたって合わないなあと思う人や、一緒にいて楽しくない人とは距離を置く。それ以上、嫌いにならないためにつきあわないのです。勇気がいるかもしれないけれど、人生の時間は限られています。大事な人とたくさん過ごす方がいいと思うのです」

加藤 あーなるほど。和田さんの言葉は単に励ましているだけじゃなく、具体的な行動レベルで書いてあるんですね。だから、それが週によっては自問になったり、良い意味で注意喚起になったりして背中を押してくれるってことになって。それなら何をしたらいいか行動が変わる気がしますね。

和田 ほーう、そういうことか。さすが加藤さん。

加藤 このもう1つの仕掛けである「水曜日の境界線」も、時間管理や目標達成に一役買っているみたいですね。

和田 これって、たった1本水曜日と木曜日の間の線が太くなっているだけなんですけど(笑)。でも、その週の前半にノルマに対して進捗がスローだった場合、「水曜日の境界線」とともに、行動計画を見直すことができる。さらに途中経過がどうあれ、1週間という単位でノルマが達成できれば結果オーライです。水曜に楔を打ち込んで、全体を見直す良いきっかけになることが多いんです。

加藤 たった1本の太い線の効果で1週間の過ごし方にもメリハリがついていくのか……。たしかに「Weeklyのメッセージ」にしろ「水曜日の境界線」にしろ、メリハリがないとボーッと流されて1週間ないし1年があっという間に過ぎていきますよね?

和田 はい、だからほんのちょっと意識を変えるだけで、行動は変わります。行動が変われば、必ず結果もついてくると私は信じているんです。

※次回配信予定は9月12日(月)です