著者がプロデュースする「キャラクター手帳」には、それぞれの著者の想いがつまっている。行動を見える化して数字をアップさせる『和田裕美の営業手帳』、人生のシナリオを描くことで行動を起こさせる『美崎栄一郎の「結果を出す人」のビジネス手帳』はそれぞれ個性やアプローチは違えど、夢を掴むためのツールであることは共通している。お二人にこだわりと開発秘話を語ってもらいました。(取材・構成/両角晴香 撮影/宇佐見利明)
年間15冊の手帳を使って、
善し悪しを見極めた
和田 美崎さんはサラリーマン時代から、よく手帳を使っていらしたのですか?
美崎 はい。商品開発をしていたので色々気になって、毎年買い替えていました。
和田 へえー、さすが研究熱心。
美崎栄一郎(みさき・えいいちろう)1971年、横浜市生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科を修了後、花王株式会社で約15年勤務、プロジェクトリーダーとして活躍。独立後は、商品開発コンサルタント、作家、講演家など様々な顔を持つ。仕事のツールにはこだわりがあり、仕事の効率とクオリティを上げるために、さまざまな工夫を行ってきた。文房具朝食会(東京、大阪、名古屋で社会人がボランティアで開催している勉強会)や文房具を併売している書店(紀伊國屋書店・三省堂書店・丸善・カネイリ・川又書店)でも、仕事のアウトプットを上げるためのツールの使い方を紹介。初の著書『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)は、現役サラリーマンのノート術のノウハウを公開した書籍として話題になりビジネス書のベストセラーに。ほか『iPadバカ』『iPhoneバカ』『Facebookバカ』(アスコム)など著書多数。近著は、『「結果を出す人」は、エクセルをどう乗りこなしているのか? 』(仕事の教科書BOOKS)。
美崎 1年間で15冊使った年もありました。ほぼ日手帳、能率手帳、100円手帳、なんでも試しましたね。
和田 1ヵ月1冊以上はすごい。
美崎 手帳を替えると、それまで使っていたものの善し悪しがわかるので、改善点が見えやすいんですよ。さすがに転記が大変で、途中からはマンスリーページをコピーしたものを貼り付けるようになりました。
和田 美崎さんの『「結果を出す人」のビジネス手帳』でいいなと思ったのはシールです。貼って剥がせるのが素晴らしい。
美崎 「再剥離シール」ですね。スケジュール変更があったときにシールを移動させるだけだから楽でしょう?
和田 書いたり消したりする手間がはぶけます。
美崎 来年で5年目だから、また研究して改良してもいいかなと思っています。和田さんの手帳は今年で11年目ですか。
和田 はい、ありがたいことに。
美崎 毎年たくさんの手帳が出るなかで長く愛されるのは並大抵じゃないですよね。僕なんて、2年目でいきなり廃盤になったらこんなダサいことないよなって、最初に出すときはかなりプレッシャーでした。
和田 文具のプロでいらっしゃいますからね。周りの期待も大きかったでしょう。
美崎 はは。だからすべての工場に足を運んで「今年できないなら、来年はできますよね」って交渉して。
和田 商品開発がご専門の美崎さんだからこそできることですね。
美崎 和田さんの『営業手帳』は、複数人の目標と結果を書き込めるのがいいですね。僕もプロジェクトマネジャーをやっていたときは似たような感じで書き出していました。フォーマットがあるのはありがたいですよね。真似したいくらいです。