実はJRにとって上野東京ラインができることによる最大のメリットは、品川―田町駅間にある巨大な車両基地が不要になることだった。上野東京ライン開業の結果、広さにして13ヘクタールという巨大な土地を更地にして、新たなオフィス用地として再開発することができることになったのだ。

 13ヘクタールというと面積にすれば六本木ヒルズよりもやや広い面積になる。この巨大な都市開発は、最初から山手線の新駅隣接という開発条件になるので、オフィスビルとしては最上級の立地条件になるし、新幹線や羽田空港へのアクセスのいい場所柄を考えれば高級タワーマンションの立地としても都内随一の好物件になることが最初から決まっているようなものだ。

 JR東日本はこのエリアの開発に5000億円規模の資金を投下するというが、一説によれば不動産開発から得られる利益として3000億円規模が見込めるという。JRにとっては巨額の利益がころがりこむ極めて高収益のプロジェクトということになるだろう。

恵比寿ガーデンプレイスの二の舞にならないか

JR東日本のプレスリリースより
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 さて、先々週の私の記事『「東京五輪後バブル崩壊」を予感させるこれだけの理由』で、2020年に向けた開発バブルが、30年前の不動産・株バブルと状況が似ているという指摘をさせていただいた。

「2020年の東京オリンピックまでは国を挙げて景気を盛り上げようとするだろうから、それまではさまざまな景気対策で、好景気が続くに違いない」

 という観測が世の中に出回っている。それまではいいが、2020年にオリンピックが終わった後、経済成長の支えがなくなって一気に反動的な不景気がやってくるリスクに備えたほうがいいという内容の記事である。

 そのような景気反動タイミングとぴったり一致するのが、今回発表された品川新駅の大規模開発構想だ。だから5000億円を投入する(これはJR東日本の公式発表)とか、それで3000億円のリターンが得られる(これは不動産専門家による観測であり、JRの見解ではない)とか、景気のいい話をしていて「大丈夫なのか?」と心配してしまいそうな気持ちにならないこともない。

 バブルでひどい目にあった企業はたくさんある。今回の話から私がすぐに想起するのは1994年に開業した恵比寿ガーデンプレイスの開発だ。