「ボヤを大火事のように騒いだ」
小池知事は無知なのか?

 たしかに、橋下徹・前大阪市長がTwitterで《安全性に問題がなく、建設工事に不正がなければ、ここまで豊洲の風評被害を拡大した小池さんの責任問題ひいては進退問題に発展するだろう》と指摘しているように、小池知事にやり過ぎな側面があるのは事実だ。

 実は、マスコミが騒ぐ「盛り土をしてないのが不安だ」というのは、まったく逆だ。汚染土壌の上に土を敷き詰めて、杭やらを打ち込めば建物にダイレクトに汚染物質が上がってくる。不測の事態に備えて、「地下ピット」という「空間」があった方が、実際には遥かに安全なのだ。今、共産党のみなさんがやっている水質云々と「地下ピット」は、まったく別の問題なのである。

 この「盛り土」問題の本質は、「地下ピット」という新市場に不可欠な設備を、しっかりと議会や都庁内に周知徹底させ、都民に正しく情報公開できなかったという都庁職員の姿勢にある。そのような意味では、「空間」などという物議を醸し出す表現で、「ボヤをあたかも大火事のように大騒ぎした」という知事への批判は正しい。

 が、もしもこれが「わざと」だったとしたら――。

 批判をする方たちのなかには、小池知事が建造物への知識不足から「地下ピット」というものを理解できず、「空間」だと大騒ぎをした、という見立てをする人も多い。もちろん、そういうこともないとは言い切れないのだが、筆者はまったく別の可能性を考えている。

 なにしろ知事就任後、初めて開催をする「緊急記者会見」だ。役人から徹底的に情報を吸い上げたはずだ。当然、小池知事の「この空間はなに?」という問いに対して、「地下ピットです」と答えた者もいたはずだ。官僚のレクの場面などを見た人はわかると思うが、彼らは常に分厚いファイルを持ち歩き、あらゆる質問に回答できるようにしている。他部署の人間は知らなくとも、担当部署ならばあれが「地下ピット」だというのは脊髄反射的に回答できたはずだ。

 しかし、小池知事の緊急記者会見では、「地下ピット」という言葉はまったく出ない。説明は受けたはずなのに、会見では発しなかった。つまり、意図的に「地下ピット」というカードを伏せたのである。