アイデアの作り方の古典にジェームス・W・ヤングの『アイデアの作り方』(今井茂雄訳、TBSブリタニカ)があるが、この本の内容を少々乱暴に要約すると、アイデアは、(1)一人の人がそのテーマについて材料を必死に集めて考え抜いて、(2)その後に注意を別の事に向けていると運が良ければその人の頭の中にふと生まれるので、それを待てというものだ。頭の中に材料を送り込んで、それが、いわば頭の中のバックグラウンドで整理されることによって、「おそらくこうではないか?」というアイデアが生まれる。付け加えると、(3)必要性があると、脳は努力する。

 確かに、無意識を味方に付けることは有効だ。このことは、しばしば実感するところだ。

 詳しい脳科学的なメカニズムは分からないが、人間の脳は、無秩序なものを整理する方が気持ちがいいと思う指向性を持っている。目的と前提条件をインプットされると、その最適解を探そうとする。そのためには、関連する要素の組み合わせを何通りも(脳内で)試してみることが必要なのだが、新しい組み合わせを試すためには、前に試した組み合わせから意図的に離れる「気分転換」が必要だ。

 週休3日制は、このために必要な「深い気分転換」を、週休2日制よりも効率良く生むことができるように思う。

 真剣に仕事をしているビジネスパーソンは、仕事が頭から完全に離れることはないはずだ。「完全に離れている」と思えるのは、発想の達人か、真剣に仕事をしていない人のどちらかだ。そして、週休3日制は、普通のビジネスパーソンを、発想の達人に近づける上で大きな効力を発揮するに違いない。

生産性を上げるために
〆切の役割は重要 

 筆者も含めて、凡人は、〆切がなければ生産性を上げることができないし、ひいては、まとまった成果を得ることさえできない。たとえば、普通の作家やライターは、〆切がない世界にいるなら、現状の3分の1も原稿を書けないのではないか。