要約者レビュー
日本実業出版社
チームうまい棒著、株式会社やおきん協力
158ページ 1300円(税別)
うまい棒、と聞けば、唾液とともに懐かしさがこみ上げてくるのは、私だけではないはずだ。うまい棒は全国の老若男女の愛してやまない、まさにキング・オブ・駄菓子。その人気とロングセラーの秘密を明かす本である。
本書『うまい棒は、なぜうまいのか?』は、さすがうまい棒の本だけあって、楽しさあふれる本である。めんたい味のパッケージから飛び出した「うまえもん(仮)」と「博士」のペアが掛け合い漫才のようなやりとりをしながら、うまい棒の値段や種類、駄菓子の歴史や流通の仕組みなど、さまざまな点に注目し、魅力の源を探る。本の装丁も、うまい棒を彷彿とさせるようなにぎやかな彩りで、製作チームの気合が感じられる。
本書「協力」者でもある、駄菓子のトータルプロデュース会社やおきんのみなさんは、駄菓子づくりにおける遊び心をとても大切にしているそうだ。文中では「常にエンターテインメント性を入れていきたい。『おもしろい』と『おいしい』が同時にあってもいい」という社員のことばが引用されている。「楽しさ」や「おもしろさ」を味わえるよう、うまい棒のパッケージの絵柄は、手間とコストをかけることになっても工夫を続けているという。そうした精神が、本書の隅々にまであふれているように感じられた。
読んで楽しく、しかも、35年間も売れ続けるヒット商品を生み出した株式会社やおきんの、商売の秘訣を垣間見ることができる。お値段は10円……ではないが、うまい棒そのものと同じように、たいへんお得でおいしい1冊なのである。 (熊倉 沙希子)
著者情報
著者 チームうまい棒
うまい棒の全パッケージに登場するキャラクター「うまえもん(仮)」と、めんたい味のパッケージに載っている「博士」の2人が、うまい棒、駄菓子を愛する人のために、めんたい味のパッケージから飛び出してチームを結成。
協力 株式会社やおきん
「うまい棒」をはじめ、「キャベツ太郎」「蒲焼さん太郎」など、手軽なスナック菓子から斬新なアイデアのおもしろお菓子、時代を越えて親しまれている懐かしい菓子など、遊び感覚あふれる楽しいお菓子の企画から販売までをトータルにプロデュースしている。おいしいもの、楽しいことが大好きな子どもたちの夢を育む商品を、日本全国はもちろん世界の子どもたちへと届けている。