>>(上)より続く

 大樹さんによると、妻は交際している時から、何度も連絡しても、なかなか捕まらなかったり、メールの返事が1週間遅れて返ってきたりするこががあったそうです。また、せっかく捕まったと思えば、当日になって突然、デートの予定をキャンセルされることもありました。

 それでも大樹さんは「彼女には彼女の事情があるんだろうと」無用な詮索はしませんでした。実際のところ、当時の妻は非常に忙しく、土日も仕事に出る日があると聞かされていました。そんなふうに超多忙な妻に振り回されながらも、何とか1年間、交際を続けることができました。大樹さんははじめから「彼女と結婚できればいいな」と考えていたそうで、交際1年という記念の日に、大樹さんは妻に気持ちを正直に伝えてみたところ、妻はあっさりと結婚を受け入れてくれたそうです。

「妻も僕と同じ気持ちでいてくれたんだと思い、心底うれしかったんです。いま思えば、新婚旅行のときから、妻は少しおかしかったと思います」

 妻は初日に体調を崩してしまい、そのせいで旅行中、ずっと機嫌が悪かったそうです。大樹さんはハネムーンの様子をこう振り返ります。

「もう困りましたよ。だって僕は妻の体調を心配して声をかけるのに、妻は『うるさい』『いい加減にして』と見境もなく、怒り出すのです」

 結局、大樹さんは妻の逆鱗に触れるのが怖くなって、まったく話しかけられなかったそうです。

「せっかくの新婚旅行なのに、そのときのこと全然覚えていないんです」

 無事に帰国して、いつもの生活をすれば、また元の妻に戻るだろうと信じて、大樹さんは旅行の最中、我慢に我慢を重ねたのです。

 結局、妻が普通に接してくれるまで、3週間もかかったそうです。大樹さんの話をまとめると、交際の当初から、妻のワガママを大樹さんが許すという繰り返しだったようです。大樹さんが「どんなことがあっても全面的に許す」という姿勢で妻に接していたこと。そして妻が「何をやっても大丈夫」と大樹さんを軽んじていたこと。お互いの価値観や考え方が2人の関係を生み出したのですが、それはどう見ても、おかしな距離感や空気でした。

携帯代が月に3万円、給油が頻繁でも黙認する夫
妻は「別の男性と付き合っても大丈夫」と思ってた?

 さらに妻のワガママには、「別の男性と付き合っても大丈夫」ということまで含まれていることが徐々に明らかになっていったのです。

「結婚してからは、公共料金や家賃の引き落としは私の口座に指定していました。僕の母はずっと専業主婦でしたし、男が女を養うものだと思っていましたから、当然です」