2日夜に行われた凱旋門賞(フランス・シャンティイ競馬場)。
テレビの前でレースを見守った人の多くは、ため息をついたはずだ。今回、日本馬として初の凱旋門賞制覇を目指して参戦したのは日本ダービー馬のマカヒキ。前評判では十分勝算があると見られていたが、最後の直線では馬群に沈み、16頭立ての14着に終わった。
注目度を高めたのは、日本馬初制覇の期待だけでなく、このレースから海外競馬の馬券が買えるようになったこともあるだろう(インターネット投票のみ)。JRAの発表によれば売上は41億8599万円あまり。その多くがマカヒキの応援馬券だったはずで、馬券を買った人は見せ場をつくることもなく、後方を走るマカヒキをぼう然と見つめるしかなかったわけだ。
しかし42億円近い売上というのは、すごい。日本の中央競馬で行われる最もグレードの高いGⅠレースこそ100億円以上の売上が当たり前になっているが(昨年末の有馬記念は約416億円、今年の日本ダービーは約266億円)、GII、GIIIになると30~60億円といったところ。海外馬券購入可能第1号レースとなった凱旋門賞は、いきなりそれに匹敵する売上を記録したわけだ。
今回はスポーツ紙をはじめとするメディアが、海外の馬券が買えるようになったと盛んにアナウンスしたこともあるだろうが、グローバル化が進む他のスポーツと同様、競馬も海外で行われるビッグレースに対しては関心が高まっているといえる。
海外のレースでも別格の
注目を集める凱旋門賞とは
なかでも注目度では別格といえるのが凱旋門賞だ。芝の2400メートルで行われるレース。創設されたのは1920年で100年近い歴史を持つ(今回で95回目)。競馬発祥国イギリスのダービーステークスなどと比べると歴史は浅いが、画期的だったのは国際競走として始められたこと。当初は地元フランスの馬ばかりが勝つ状況が続いたが、第二次世界大戦後に世界一の高額賞金を設定したことから、各国から一流馬が集まるようになった。