年下の韓国人青年からナンパ
すっかり舞い上がる

 (アラフォーだけど私、まだまだイケてるかも!)

 喜和子さん(仮名・40歳)はすっかり、舞い上がってしまった。ここは丸の内のおしゃれなカフェ。今日は午前中からママ友と待ち合わせ、フィットネスクラブと天然温泉でリフレッシュした後、ちょっと遅めの高級ランチを楽しむ計画だ。

 天然温泉付きのフィットネスクラブのオープンは朝の7時。ビジター利用1620円~というのは相当お得だと思う。

 …が、喜和子さんが舞い上がっているのは、そんな理由ではない。

 なんと、久々の都心で、10歳近くも年下の韓国人青年にナンパされてしまったのだ。今、目の前に座り、ニコニコしながら彼女を見ている。

 かつて丸の内界隈でOLをしていた喜和子さん、今日は集合時間より1時間以上も早く到着してしまい、ブラブラしていたところ道を尋ねられ、教えてあげたお礼に「お茶でもご一緒に」というわけで、こんなことになっている。

 (あ~あ、普通なら絶対、こんなことしないんだけど。この子、困っているふうだったし、外国の人だったし、親切にしなきゃと思ったのよね)

 自分に言い訳しながら青年を観察する。

 道を尋ねてきたのはナンパの手口だったようで、この界隈にある大手通信企業の名刺を刺し出してきた。

「えっ、道を知らないって嘘だったのね」と責めると、「ごめんなさい。だけど、あなたがあんまり可愛かったから」と、たどたどしい日本語で素直に謝ってくる。

 その様子が、なんとも可愛く、母性本能をくすぐられてしまう。それに何より、年下青年から「可愛い」と言われるのがうれしいし、くすぐったい。

 すっかり打ち解けて、別れ際にはちゃっかりLINEを交換した喜和子さん。

 ママ友と合流し、フィットネストレーニングを終えて温泉に入ろうとしたタイミングでさっそく、「来週末、デートしたい」とのお誘いが入った。