3人に1人が痔主といわれ、痔に悩むオトナは多い。その多くの場合、手術の必要はないが、歩くのもつらいなど重症例だと手術や注射による治療が必要となることもある。そこで、『ダイヤモンドQ』編集部では、痔の治療について紹介する。
日本人の3人に1人が痔主
そのうち5割がいぼ痔
日本人の3人に1人は痔で悩んでおり、うち5割を痔核が占めている。痔は肛門の病気の総称で、いぼができる痔核(いぼ痔)、上皮が切れる裂肛(切れ痔)、膿のトンネルができる痔ろう(穴痔)の三大痔疾患に、痔の患者全体の8割が収まる。このうち加齢とともに増えていくのは、長年の排便習慣が積み重なって出現する痔核だ。切れ痔は硬い便を無理やり排せつすることで起こり、痔ろうは便中の大腸菌などの細菌の感染によって化膿することで起こる。
「子供に痔核はまれです。だいたいはオトナになって、さまざまな要因で便秘気味になり、職場で排便するのは嫌だから、頑張って家で出してしまおうと、無理やり息んだり、洗浄トイレで肛門を刺激して、残った便を出し切ろうとするような生活を10年、20年と続けた末に、発症するのです。ある日突然、いぼができる・という話ではないので、皆さん予防といっても、何が予防?ということになりますね」と東京山手メディカルセンター・大腸肛門センターの佐原力三郎医師。
痔の予防には
トイレで5分以上粘らない
オトナの痔の予防には、トイレでは5分以上粘らない。排便が済んでも済まなくても、さっさと出る習慣をつけることが何よりも大切だと説く。スマートフォンをいじったり、新聞を持ち込んで長く居座る人は、痔主になりやすいらしい。
出し切るまでは頑張りたいのが人情だが、長時間強く息むと肛門に負担がかかり、うっ血や出血につながってしまう。トイレには、便意を 催したときに入るのが理想で、そのためには、毎朝決まった時間に便意が訪れるよう、規則正しいリズミカルな生活を送ることが欠かせない。また、スムーズに排便できるよう、便秘にならないことも大切だ。とはいえ、そうはできないから、みんな痔で悩んでいるのだ。