家族経営なら、
やり方次第で十分勝負できる!

 つまり、購入する原材料(種苗・農薬・肥料など)や機械投資額は、大規模でも小規模でも、面積あたりでかかる費用はほぼ変わらないのです。

 ということは、人を雇用しない家族経営なら、やり方次第で十分勝負できるというわけです。

 現在、大規模稲作農家だと、50~100ヘクタールが当たり前になってきていますが、考えてみると、農業にスケールメリットがあるとしたら、2~3ヘクタールクラスの小規模農家と比べて大規模農家は米を安価に出荷できるはずです。

 パン製造などの加工業なら、規模が50倍違うと、半額ぐらいで売っても十分ペイできるものもありますが、農業でそれをやったら再生産価格(発生した利益で事業が継続できる価格設定)に届かず、すぐにつぶれてしまいます。

 人件費、機械代、土地代と、コストが他国と比べて比較的高い日本で、規模を拡大すれば表面上の売上は上がるが、手元に残る利益は決して多くはないのではないか?

 脱サラする際、私はそんな仮説を立てました。

 すると、日本の場合、家族でできる農業、稲作であれば、10~15ヘクタール、畑作の場合は2~3ヘクタールが、最も収支のバランスが取れていることがわかりました。

 ちなみに、大規模の場合、稲作で30ヘクタール以上、畑作で10ヘクタール以上になると人的コストが有利になりますが、その間の規模では高コストになってしまいます。

 風来では、こういった考えをベースに、加工、セット商品の開発、廃棄率ゼロ、直売を加え、さらに小さい面積でできるようにしました。