確実に伝わるのはどっち?

 例えば、エクセルのデータに「ここは重要!」という意味づけをしたいとき、次のどちらの方法が部下に伝わるでしょうか? 

A. データ上で「!」「◎」記号を挿入したり、太字や色をつけ加える
B. 出力した紙にマーカーを引き、「重要!」と書いたメモを添える

左はデータ上で赤文字にしたり!マークをつけているもの。
右はプリントアウトしたものに赤ペンで手書き文字などを加えたもの。
さて、確実に見てもらえるのはどっちでしょうか?
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私の経験上、結果に結びつくのはBでした。

 伝えるべきは「目標必達!」という指示伝達系のものだけではありません。

 部下が懸命に営業をしてようやく目標を達成できたとき、デジタル上の「決済」スタンプと、付箋に手書きで「おめでとう!」と書くのと、どちらが部下の達成感を満たすコミュニケーションになるでしょうか。

 単にデジタルデータを投げるだけではなく、そこに心を伝える「表現の絵心」を添えることが、「人を動かして結果を出す」という管理職スキルを上げてくれます。

「絵心」というと、メモに似顔絵を描いたりイラストを添えたりすることと誤解する向きもありますが、手書きの一言や、赤丸で十分です。「表現の絵心」を磨いて資料に命を吹き込むのに、特殊な才能は必要ありません。そのちょっとしたことに手を抜かない意識が重要なのです。

 次回は、Face to Faceのコミュニケーションの重要性についてお伝えしたいと思います。(次回は10月26日更新予定)