実は丸投げ
【権限委譲タイプ】

 最も演技派といえるのが、このタイプかもしれない。

 一見、部下や年下を信頼し、できるタイプに思えるから、注意が必要だ。口癖は、「よし! 今回はやってみたらどうだ。権限委譲するよ」だ。若手社員がこう言われれば、最初は「自分のことを信じてくれている。任されているんだ」と、うれしくなるだろう。

 しかし、それが何度か続くうちに、「もしかして、この人は、自分では何もやらず、丸投げしたいだけなんじゃないか……」という疑念が浮かぶはずだ。むろん、本当に信頼して全て任せてみるという状況もあるだろう。このタイプは当初は見分けが難しいのだ。

 とはいっても、若手に権限委譲する際にも、要所要所で的確なアドバイスやサポートをするというのが上司や先輩の役目。毎回、言いっ放しだとしたら、このタイプだと思ってよいだろう。

 あるメーカーの管理職は日頃から、「日本の会社の悪いところは、管理職がプレイングマネジャーになってしまうこと。オレは、あえて管理業務に徹する」と若手に宣言しているという。しかし、若手は、「物事には限度がありますよね。それでいて、成果が上がると自分の手柄にしてしまうから、たちが悪いんですよ」と苦笑する。

 このタイプにはしつこく食い下がり、ただし、顔はにこやかに「アドバイスを下さい」「一緒に上司のところに相談に行きましょう」などと提案してみるのが吉だ。

【処方箋

本当に信頼して任せてくれているのか怠けなのかを確認

上司のところに一緒に行かせるなど無理やり巻き込む

 毎日ため息
【嘆き愚痴タイプ】

 職場の雰囲気を少しずつ悪くしていくのがこのタイプだ。

 周囲に聞こえるくらい、大きなため息ばかりついている。何かにつけて、「昔は良かったよなあ」などと嘆く。会議の場では発言はしないが、後で「あの内容じゃあダメだなあ」などと、ぼやく。

 流通企業に勤める30代後半の女性はいらつきながら話す。

「小さな声で自分の席でぶつぶつ言っているだけならいいんですが、どうやら、たばこを吸うスペースに若い社員が来ると、どうでもいいようなネガティブな情報を吹き込んで、“もう今の経営陣じゃダメでしょ。君らも若いうちに転職した方がいいよ”とか、言っているようなんですよね」

 ただし、この男性は、かつて開拓した社外のルートが豊富で、その点では、それなりに頼りにもされているという。「ぶつぶつ言わずに、あの人脈を生かして頑張ればいいのに」と、女性は漏らす。

 このタイプは、たまたま上司と反りが合わず、納得のいかない人事が行われたり、事業部自体が消滅して転属になってしまったりと、本人の実力とは関係のない不運に見舞われた例も少なくない。ある意味、被害者でもある。だからこそ、その恨みが、愚痴という形で漏れ出ているのだ。

 愚痴を言いそうな時間にはなるべく近づかず、その上で、「みんな、頼りにしています」という気持ちを伝え、意識を少しずつ変えてもらうのがいいだろう。

【処方箋

愚痴の原因は会社や現状への恨みにある

恨みの裏にあるパワーをうまく引き出し再起動してもらう