その結果、年初来でフェイスブックの株価は約23%上昇している。同期間でツイッターの株価は約27%下落している。また、メッセージアプリの中で注目を集めているのがスナップチャットだ。同社は10秒以内に送信した画像が消えるという、従来にはない画像管理技術を用いて差別化を進めた。これによって、ユーザーは送信した画像が、いつ、どこで、誰に見られるかわからないという不安を解消できる。

 こうした機能が10~20代の若者の支持を受け、スナップチャットのアクティブユーザー数はTwitterを上回っているようだ。そのほかにも、わが国でなじみの深いLINE(ライン)など、コンテンツの拡充や企業とのコラボを含めて競争力をつけてきたライバル企業は多い。

 2012年、当時TwitterのCEOだったディック・コストロ氏は、同社の収益には全く懸念がなく、ライバル企業の資金調達やM&A(企業の合併・買収)は関係ないと強気だった。一方、ライバル企業は積極的に買収戦略を展開し、メッセージ機能の強化や新しい技術の吸収を進めた。

 そうした経営方針の違いは中長期的な成長性を左右する。同社の経営に戻ったジャック・ドーシーCEOの方針には、ライバル企業と互角に渡り合えるだけの改革は見いだせない。買い手が現れたとしても、相当のディスカウント(割引)が求められるだろう。

“秒進分歩”の世界の厳しさ
“栄枯盛衰”の教訓

 今日のオンラインビジネスは、日進月歩、否、“秒進分歩”というべきスピードで事業育成が進んでいる。その代表がグーグルだろう。

 2015年8月、グーグルは大規模な組織再編を行った。同社は持ち株会社"アルファベット"を創設し、グーグル(検索やアンドロイドアプリの開発)、グーグルベンチャー(ベンチャーキャピタル)、カリコ(生命科学ベンチャー)、ファイバー(光ファイバー回線を用いた高速インターネット接続サービス)、ネスト(スマートホーム機器のデバイスを手掛ける企業)など、複数の異なる事業を傘下に従えている。これは、新しい組織の創造を通したイノベーション=創造的破壊だ。

 アルファベット(グーグル)の経営陣は、常に新しい取り組みを進めていなければ競争に勝ち残れないという危機感を持っている。そのために、自動運転技術やロボットなど、先進的な技術を手中に収めて需要を発掘し、新しい市場を創造しようとしている。このビジネスモデルはアメーバーのような柔軟性と広がりを持っている。それをSNS、検索、IT、自動車メーカー、金融業など特定のカテゴリーに分類することは適切ではない。

 Twitterの身売り交渉は行き詰まり、経営再建の見通しは不透明だ。それは、同社の経営陣が果敢な展開よりも、一時の成功に安住した結果だ。一方、アルファベットの経営陣の成長志向は留まるところを知らない。こうしたビジネスモデルが進化すると、同業がライバルという発想は通用しなくなる。トヨタはBMWやフォルクスワーゲンだけでなく、グーグルや配車サービスを手掛けるUberとも競争しなければならない。

 このようにIT化の促進は人工知能や仮想現実など、その応用範囲を広げるとともに、企業間の競争をし烈化、加速化させている。昨日のスターが明日のスターとは限らない。Twitterの身売り報道は、一たび競争の手綱を緩めると、もう他の企業とは同じステージで競うことができなくなってしまうという「栄枯盛衰の法則」を示している。これは今日の企業が受け入れるべき重要な教訓だ。