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齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

「Cyber3 Conference」第2回が東京で開催
日本がリーダーシップをとる絶好のチャンスに!

齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]
【第25回】 2016年10月31日
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一般の人も意見を述べ
議論する場として活用してほしい

 2つめのサイバーセキュリティはICT部門だけの課題ではなく、もはや経営課題といえるほど重要な問題です。

 自動車に懐疑的な見方をする人が多かった時代、それでも自動車の運転を学ぼうと思い立った人は、誰よりも早く新しい事業を始めることができたでしょう。

 サイバーセキュリティも同じこと。いち早くその重要性と可能性に気づき行動を始めた人は、キャリアパスや事業開発に生かせるはず。今回初めて一般参加枠を設けていますが、そういう意味でも世界最先端のセキュリティ技術とサイバー犯罪対策が語られる国際会議に出席することは非常に意義深いことです。講演はもちろん、合間の休憩時間や朝晩の会合など、参加者と話をする機会もあります。

 その際はぜひ、自分の課題を持って参加してほしいですね。自分の意見を述べ、参加者たちと議論を交わすことで、新しいアイデアが生まれる素地ができるからです。

 私は国内外で様々な講演をしていますが、海外ではプレゼン後の質疑応答で次々と質問が飛び出し、ときにはプレゼンの時間より長くなることもあるくらいです。考えさせられるような鋭い質問があったり、その国では何が悩みでどこに課題があるのかといったこともわかったりして、私自身も勉強になります。

 ところが日本では、質疑応答になると会場はシーンとしてしまい、私の言いたかったことがちゃんと伝わったのか、どのあたりに興味があるのかもわかりません。正直に言うと、こんなに重要な課題なのにスルーしてしまって大丈夫? という感じです。文化の違いもあるでしょうが、せっかく参加しているんですから聞きたいことをどんどん質問しなきゃソン。セイバーセキュリティはまだ発展途中ですから、プレゼンする専門家もさまざまな意見を聞いて自分も学び、レベルアップしたいと願っているのです。

 また、「うちのセキュリティは大丈夫」と思っている企業の人にもぜひ参加してほしいですね。セキュリティは「これで終わり」がない世界。常に変化し、対策を続けていかなければいけないのです。

 10年前には小さな会社だったグーグルやフェイスブックが石油会社に取って代わったように、この先の10年でサイバーセキュリティの専門企業が時価総額ランキングの上位に躍り出てくるのも決して夢物語ではないでしょう。もしかしたら、あなたの会社が、あるいはあなたが興した会社がそのポジションを獲得しているかもしれません。世界共通の課題でありながら、まだ世界中の誰もその抜本的な解決策を打ち出すことができていないサイバーセキュリティ。だからこそ、安全・安心のクールジャパンブランドで知られる日本に大きなチャンスがあるのです。

「Cyber3 Conference 2016」の公式サイトはこちら

(構成/河合起季)

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齋藤ウィリアム浩幸
[内閣府本府参与]

さいとう・ウィリアム・ひろゆき
1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)卒業。高校時代に起業し、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年に会社をマイクロソフトに売却してからは日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。有望なスタートアップ企業を育成している。12年には、総理大臣直属の国家戦略会議で委員を拝命し、国会事故調査委員会では最高技術責任者を務めた。また13年12月より内閣府本府参与に任命されている。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2011」選出。2015年6月より、パロアルトネットワークス合同会社副会長に就任。著書に『ザ・チーム』(日経BP社)、『その考え方は、「世界標準」ですか?』(大和書房)。


齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

歴史的に、世界に挑むチャレンジ精神は本来、日本人が持っていた気質。しかし今の時代、日本のお家芸“ものづくり”だけでは新興国に負けるのは火を見るよりも明らかだ。成長へと反転攻勢に転じるために必要なものは何か――。それは革新的なイノベーションを起こすための「世界標準の思考」に他ならない。気鋭の起業家であり、技術者である筆者が、日本が再び世界をリードしていく道はなにかを説く。

「齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機」

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