世界で高い評価を受ける日本のウイスキー。日本を代表する名ブレンダーに、嗜み方を聞いた。(週刊ダイヤモンド2014年11月1日号特集「世界が認めたニッポンの酒」より)
ハイボールを飲むようになって、ウイスキーに興味を持ったんだけどウイスキーって、よく分からない。そもそも、年配の男性が落ち着いたバーで、葉巻をくゆらせながら、楽しむ代物なのでは……。間違った注文の仕方でもして、恥をかいたらどうしよう!
しかし、心配ご無用だ。ここでは、日本を代表する名ブレンダーである、輿水精一・サントリー酒類名誉チーフブレンダーにウイスキーの楽しみ方を伝授してもらう。
侍のようなオーラを放つ輿水氏だが、その語り口調は柔らかい。「それほど肩肘を張らずに楽しんでください」と説く。
まずは、飲み方、楽しみ方に行く前に、日本のウイスキーについて教えてもらおう。
そもそも、日本のウイスキーの先祖に当たるスコットランドのスコッチウイスキーと日本のウイスキーはどこが違うのだろうか。
ウイスキーの製造では、さまざまなタイプのウイスキー原酒をブレンドする手法が主流だ。
数多くの蒸留所があるスコットランドには、それぞれの蒸留所が造った原酒のたるを交換する文化がある。その結果、さまざまな個性を持つ原酒をブレンドして、複雑な味を表現し、製品として出荷することが可能となっている。