ウイスキーこそ真のクールジャパンだ。
「余市」「山崎」などがパリ市内にある酒屋の店頭を飾り、バーやレストランで人々は日本のウイスキーを好んで注文する。
「フランスで人気」とメディアに取り上げられた日本発カルチャーが、実際は現地で局地的な盛り上がりに過ぎないことは多々あるが、日本のウイスキーは掛け値なしに売れている。
 いったい、日本産ウイスキーがフランスで好まれる理由はどこにあるのか。現地での様子を探った。

世界的なウイスキー商社「ラ・メゾン・ド・ウイスキー」がパリ市内で営む店舗。ショーウィンドーには日本産ウイスキーが並ぶ。同社はニッカが欧州での販売を委託する総代理店でもある

フランス人は、ウイスキーが大好き

 意外なことに、フランスはスコッチ輸入量が世界一のウイスキー愛好国だ。
 そこで日本のウイスキーが躍進を続けている。ニッカウヰスキーの場合、フランスにおける2014年の販売実績は前年比で3割以上伸び、2015年もそれを超える見込みだ。サントリーも「響」「山崎」「白州」のブランドが好調で、海外販売実績は前年と比べ5割増えた。

 こうした人気の秘密はどこにあるのか。
 市内中心部の4区、流行の発信地であるマレ地区南部にあるバー「Sherry Butt(シェリー・バット)」。ここはパリでも有数の日本産ウイスキーを揃える店だ。同店によれば、日本産ウイスキーのフランスでの成功は、希少性と高級感によるという。

 日本国内であれば、消費者は廉価なものから高価なものまで、様々な日本産ウイスキーを購入できる。しかしフランスだと、手に入れやすい銘柄は比較的高い価格帯に限られる。Sherry Buttでは、フランス人客が日本産ウイスキーを初めて飲む時、シングルモルトもしくは最低でも10年以上のブレンデッド・ウイスキーを試すことが多いそうだ。それら商品は、大衆向けに作られた銘柄より値は高いが、味はよい。そしてスコッチと比べ滑らかな味わいもビギナー受けし、ゆえにハイエンドで消費者との接点を獲得することに繋がった。

ニッカウヰスキー欧州アンバサダーのスタニスラヴ・ヴァルドルナさん