真のグローバル企業に向けて

 ここまで、グローバルに分散した業務を集約し、業務効率を上げ効果を創出する考え方について述べてきた。ここで、最初に問いかけた一つの質問を思い出して頂きたい。

「その仕事は本当に海外に任せておいてよいのでしょうか?」

 日本企業が海外展開を進める中で、ある程度海外に裁量を持たせ、ビジネスを進めることにも確かにメリットはあったはずである。特にM&Aなどで企業を買収する中では、言語や文化的な背景の違い、現地でのリレーションなど、日本からではコントロールできない部分が存在することも確かだ。ただ、それが行き過ぎ、「自治」という名のもとにガバナンスを放棄していては、グローバル企業としてあるべきビジネスモデルを構築することはできない。また、この質問は、見方を変えるともう一つの質問にも行き当たる。

「その仕事は本当に日本でやるべきでしょうか?」

 グローバルにビジネスが広がる中で、今まで当然のように日本で意思決定され、実行されてきた業務についても、問い直してみる必要があるのではないだろうか。例えば、海外売上比率が50%を超え、海外生産比率に至っては80%を超える状況があった場合に、販売と生産の最適解を求める需給調整の業務は、日本人が日本でやるべき業務だろうか。もしくは市場としても、工場としても、中心になりつつあるアジアが最適だろうか。

 日本企業にとって、海外との業務のインテグレーションには、言語的なギャップを中心にハードルが高いことは確かである。ただ、今後さらなるグローバルビジネスの拡大を目指すのであれば、日本や海外という垣根を振り払って、「我々の業務はどうあるべきか」と問い直すことが、今まで以上に重要になるはずである。