未訳の最新ビジネス洋書のエッセンスが詰まった書評レポートを、PDFファイルで閲覧・ダウンロード提供する本連載。今回取り上げるのはインドの経済成長の秘密を探る話題の書『優秀な人材を惹きつける』です。(書評レポート提供/エグゼクティブブックサマリー

いつの時代も企業の最大の財産は“人”
求職者も必見、人事戦略のすべて

 アメリカ同様、日本においても失業率が高まり就職難民が発生するような、まさに大きな就職難の時代が到来している昨今。雇用する側にとってもされる側にとっても、「雇用」について、あらためて考え直す必要があるのではないでしょうか。

 現在の社会情勢は、体力のある企業に関して言えば、優秀な人材を獲得できるチャンスでもあります。どんなにIT技術が発達しようとも、企業というのは結局のところ、システムで動くのではなく人で出来上がっており、その企業の人材クオリティが、企業の業績や存続に大きな影響を与えることは、ほとんどの人にとって想像に難しくないでしょう。

 本書はアメリカ国内で20年以上にわたり求職者へのアドバイスを行ってきた著者、リチャード・S・ディームズが提唱している「最高の人材を採用し、雇用し続けるための方法」について非常に分かりやすく簡潔にまとめられています。企業における採用のスタンス、経営者のポジション、そして選考から面接・採用に至るまでのすべてのプロセスにおいて、「優秀な人材を採用し、その能力を最大化する」というコンセプトをもとに書かれた良書です。

 採用を任される人事担当者や企業経営者にとって、まさに有益なアドバイスがぎっしり詰まった価値ある内容となっています。また本書は、逆の視点から考えると求職者にとっても、企業側がどのようにして優秀な人材を獲得しようとしているのか?どこでその見極めを行うのか?などといった企業側の採用戦略についての有益な情報を得ることができます。

 これから更に競争が激化するであろう、企業間における優秀な人材の奪い合いに勝ち、自社にとって大きな戦力となるべき新入社員を新たに採用しようとしている企業経営者や人事担当者、そして現在求職中の人など、あらゆる方々に自信を持ってお勧めできる良書です。

 本書は、アメリカ国内で常にベストセラーという書籍ではありませんが、「優秀な人材を惹き付け、そして採用し、その力をいかにして社内で最大限に発揮させるべきか?」という、企業が永遠に考えなくてはならないテーマについて、アメリカ国内においても非常に類書が多い中、もっとも分かりやすく、更に実用的内容を兼ね備えた、経営者に読み継がれるロングセラー書籍としての絶対的なポジションを獲得しています。

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