健全性とともに収益性も「優秀」だ。14年度に過去最高の3176億円の営業利益を計上(営業利益率は7.3%)した(図(2))。

 中国市場のファクトリーオートメーション(FA)機器の需要が失速したことで15年度は減益。今期も2期連続で減益の予想(図(1))だが、10月31日には、通期の営業利益予想を従来の2350億円から2500億円に上方修正。円高進行で売上高を下方修正したにもかかわらず、利益を生み出す力の強さを見せた。

 今期の減収減益の要因は為替でほとんど説明できる。前年度の平均為替レートは1ドル121円で、今下期以降の想定は100円。今期の営業利益の押し下げ幅は800億円に上る。“仮に”、これがなければ優に過去最高水準をクリアしている。

 円高の中にあっても実売は堅調で、エアコンは欧州を中心に出荷が増加。さらに、中国市場ではエアコンメーカーに供給するパワー半導体も回復。15年度に落ち込んでいた中国のFA機器の需要も今年8月から回復しており、7~9月期のFA全体の受注は5四半期ぶりに前年を上回った。

 特に、エアコンやパワー半導体の数量増は、工場の操業度を高める効果がある。量産効果で原材料費が押し下げられ、4~9月期の売上高原価率は前年同期比0.5ポイント改善の68.9%。中間期として2期連続でベストを更新し、円高の逆風の中でコスト競争力の強さを見せつけている。

先手の構造改革でリーマンを乗り切る
成長の鍵はM&A

 三菱電機の収益力は、不採算事業をいち早く整理した構造改革の成果といえる。

 02年には半導体のシステムLSIをルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)に、DRAMをエルピーダメモリに譲渡して切り離すことを決断。08年までに携帯電話事業と洗濯機事業から撤退を決めており、02年から08年までに6000億円強の規模の事業を整理した。これによりリーマンショック後の決算でも、電機メーカー大手8社が軒並み大赤字を出す中、三菱電機だけは最終黒字を確保した(図(3))。