APIを公開し、ベンチャー企業と連携も

 ミニクラのサービスに従事している現場の人数は「ざっと40人くらい」。システムに関しては、「パートナー」と呼ぶ外部スタッフが同じオフィスに常駐して、ひとつのチームとして働いている。

 寺田倉庫の場合、ほとんどの事業がまずはプロジェクトとして立ち上がる。事業化された場合でも、多くは言い出しっぺの社員と大多数の外部パートナーによってチームが構成され、動いている。パートナーの中には契約社員や派遣社員もいれば、独立した元寺田倉庫の社員もいる。

 ミニクラは現在、そのAPI(アプリケーションプログラムインターフェイスの略)を公開し、他社ともシステムを共有できる環境を整えた。そのうえで、話題の洋服レンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」や、個人からフィギュアを預かるバンダイの「魂ガレージ」などとも提携し、共同でサービスを提供している。バンダイと提携する以前には、フィギュアのコレクターに対して寺田倉庫が直接アプローチをかけようとしたこともあるそうだが、それは結果的にはうまくいかなかった。

今ミニクラのAPIを活用している企業は12社に。スタートアップ企業との連携も積極的に行っている

「事業を立ち上げた直後にスタッフ総動員してコミケでチラシを配ったりしてみたこともありますが、反応がいまひとつでした。使い勝手の評価はいただけたのですが、なかなか広がらない。どうやら、アニメやフィギュアのファンにとって寺田倉庫というのはかなり遠い存在だったみたいで、ならばAPIを公開して、ユーザーに近い企業にそれを活用してもらった方がいいんじゃないかと発想を切り替えました」(月森さん)

 現在、ミニクラのAPIを活用している提携企業は12社に上り、預かっている点数も1500万点を超えている。

 最近はスタートアップ企業との連携も増えてきているという。社歴の浅いスタートアップ企業の場合、アイディアと技術はあっても、実績がないために大手の物流企業とは手を組みにくい現実もある。そうした若いITベンチャーと社歴のある寺田倉庫が連携することで、これまでにないユニークなサービスが次々と立ち上がってきているのだ。

 BtoBからBtoC、さらにはBtoBtoCへ。「たしかにきついし、しんどいんですが、それ以上にやりがいもすごく感じられるようになりました」と月森さん。

「あったらいいね」というサービスは、案外、誰でも思いつく。しかし、それを実現するためには、同時に「めんどうくさいこと」も引き受けなくてはならない。寺田倉庫の本当の強さは、この「めんどうくさいこと」を嫌がらずに引き受けた点にあるのかもしれない。

 次回は、そんな寺田倉庫のユニークな仰天人事制度について尋ねることにした。