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ビッグデータで人事が変わる!Part 2

欧米と日本における
「ピープルアナリティクス」の違い

――産学有識者インタビュー(1) 慶應義塾大学 岩本隆 特任教授

北崎 茂 [PwCコンサルティング合同会社]
【第2回】 2016年12月1日
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市場を牽引する大企業が
ロールモデルとなることが重要

岩本 逆に、PwCの経験から見た日本企業と海外企業の違いはどのようなものでしょうか。

北崎茂(Kitazaki Shigeru) PwCコンサルティング合同会社 ディレクター 慶應義塾大学理工学部卒業。外資系IT会社を経て現職。人事コンサルティング領域に関して15年以上の経験を持つ。ピープルアナリティクスの領域においては、国内の第一人者として日系から外資系にいたるまで様々なプロジェクト導入・セミナー講演・寄稿を含め、国内でも有数の実績を誇る。現在は、人事部門構造改革(HR Transformation)、人事情報分析サービス(People Analytics)におけるPwCアジア地域の日本責任者に従事。HRテクノロジーコンソーシアム(LeBAC)理事

北崎 弊社では、世界各国でピープルアナリティクスのチームを保有していますが、その中でも米国での進化のスピードは違います。やはりITや金融業を中心としたロールモデルとなっている企業の存在が大きいと思います。

 こうした企業が、ピープルアナリティクスに積極的に取り組むことにより、市場全体としての1つの大きな流れができていて、現在では4500を超える企業が、人事データ分析のための専門ポジションを自社の中に作っていると聞いています。

 また、米国では自社の人事データをシェアすることにそれほど躊躇しないので、ベンチマークデータがたまり、きちんと市場ができあがりやすい環境があります。

 一方、日本では自分たちの会社で閉じていて情報を外に出したがらないので、人事データの成熟度に関して日本はかなり遅れています。もっとマーケットで情報が共有化されれば、いろいろな分析ができるようになるはずです。そこを私たちも変えていけないと思っています。

 また、最初のお話にもあったように、まだデータ分析に対する投資対効果が、実感として見えてきていないというのも、心理的な障壁となっていると思います。こうした障壁を打破していくためには、日本のトップ企業がこうした人事データ分析について、積極的に取り組んでいく姿を見せていくことが必要不可欠になるんだと感じています。

 我々としても、岩本さんのように、こうした新たなチャレンジに積極的に取り組む、企業・大学を問わず連携して、日本企業に対するカンフル剤の1つになれればと考えています。本日はありがとうございました。

(出所)
The Washington Post: People analytics' are helping employers make savvier hires, May 20, 2016

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北崎 茂
[PwCコンサルティング合同会社]

PwCコンサルティング合同会社 ディレクター。慶応義塾大学理工学部卒業。外資系IT会社を経て現職。人事コンサルティング領域に関して15年以上の経験を持つ。組織設計、中期人事戦略策定、人事制度設計から人事システム構築まで、組織/人事領域に関して広範なプロジェクト経験を有する。ピープルアナリティクスの領域においては、国内の第一人者として日系から外資系にいたるまで様々なプロジェクト導入・セミナー講演・寄稿を含め、国内でも有数の実績を誇る。現在は、人事部門構造改革(HR Transformation)、人事情報分析サービス(People Analytics)におけるPwCアジア地域の日本責任者に従事している。HRテクノロジーコンソーシアム(LeBAC)理事。

ビッグデータで人事が変わる!Part 2

「ピープルアナリティクス」という言葉が、人事の新たなキーワードとして大きな注目を集めつつある。これは簡単に言えば人事の領域におけるビックデータ分析を指す言葉である。この概念が企業の「人事の先進性」を指し示す新たな基軸となってきているのだ。

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