こちらが一生懸命コミュニケーションを取ろうと努力したとしても、メッセージを発信したとしても、相手が「分からない」と言った瞬間に、こちらの努力は水の泡。コミュニケーションは相手が全てを握っていると言っても過言ではない。

 相手目線に合わせる、相手の情報リテラシーに合わせる、等々、相手との間には常に違いがあり、それを把握してコミュニケーションを取らなければならないのだ。

総務のオーナー、総務のユーザー

 経営者は会社運営において、経営理念や自らの経営への思いを現場社員に理解してもらい、その思いに則った行動してもらうために、日々メッセージを発信している。しかし、なかなかそれが届かず、歯がゆい思いをしていることもあるだろう。

 先に記したコミュニケーションの原則によると、その原因は経営者と現場社員の目線の違いによるところが大きい。双方が双方の立場に立てない限り、どうしても相互の思いの理解と納得、共感は難しい。

 それぞれの役割とやるべき事に忙殺され、相手の思い、状況を把握することができないのではないだろうか。

 その課題解決のために総務が威力を発揮するのである。

 総務のオーナーと総務のユーザーという言葉がある。総務が言うことを聞く相手が総務のオーナー、それは経営者であり、総務が決めたルールに従う人、総務が購入したモノを使う人が総務のユーザー、現場の社員である。総務はまず、総務のオーナー、経営者の指示に従わないといけない。

 しかし、総務のオーナーの言うことだけを聞いて、そのまま現場に落とし込んでも現場の反発を食らうだけである。

 現場の状況に即した、現場が理解し納得してくれる状態でルールを作成し、必要な状態のモノを購入することが大切である。

 つまり、総務としても本来的には、経営者の考え、経営感覚や、現場の状況、現場感覚がないと会社に成果をもたらす仕事ができない組織なのである。