そして当日、どういうわけか共通の友人はその場におらず、知人の男と彼女の2人きり。彼女は男に勧められるがままワインを飲み、3本目のワインを空けて焼酎を開ける頃には飲みすぎで体に力が入らず、いわゆる酩酊状態に。本来、男は彼女の体調を心配して介抱すべきでしょう。しかし、男は彼女が身体の自由が利かないことをいいことに、力づくで彼女の体を押さえつけ、そのまま胸を触ってきたそうです。

「やめて!」

 彼女は朦朧とした意識のなかで、そうやって何度も頼んだことは覚えているそう。しかし、男は彼女の懇願に耳を貸そうとせず、彼女を力任せに引っ張り、キスをしてきたのです。彼女は隙を見て逃げだそうと試みたのですが、男に腕を捕まれ、そのまま奥の寝室に連れ込まれてしまったそうです。

「エッチさせてくれたら彼(俊さん)には言わないから」

 男は彼女に交際相手(俊さん)がいることを知りながら、そのことを逆手にとって、そう言い放ったのです。裏を返せば「セックスに応じなかったら一部始終を彼に言いふらす」という意味。そしてキスやボディタッチにとどまらず、セックスを迫ってきたのです。男の脅しに対して彼女は恐怖のあまり、ほとんど抵抗できず、寝室から逃げ出すことも叶わず…男は無理やり行為に及びました。

「アイツ(俊さん)と別れて俺と付き合えよ!」

 男は射精で尽き果てた末に、彼女にさらなる暴言を浴びせてきました。ただでさえ姦淫行為で傷ついている彼女に対して追い打ちをかけ、二重の意味で彼女を心身ともに地獄に突き落としたのです。

警察に相談できない事情
苦悩の日々

 彼女が男にレイプされる…そんな残忍で悲惨で、そして屈辱的な事件が2人の関係に暗い影を落としたのは言うまでもありません。

 彼女は事件をきっかけに、街中で他人の男性とすれ違うだけでレイプの記憶がフラッシュバックするので、あらゆる男性に対して恐怖心を抱いてしまう男性不信の状態に陥りました。それは彼氏である俊さんに対しても例外ではなく、俊さんも彼女も、互いが互いに「普通に」接することは難しくなりました。

 しかも彼女にはどうしても警察に相談できない特別な事情がありました。彼女の父親は現役時代、警察署の署長や警視庁の警視正を歴任しており、万が一、彼女が警察に駆け込めば、「娘が性犯罪の被害に遭ったこと」が巡り巡って父親の耳に入る可能性がありました。