「ぶっちゃけ就活なんてする気ないですわ。そら保護受けたら楽やもん。毎月約9万円くらいかな?家賃も出るし。西成は物価も安いから十分暮らしていけるねん。下手に節約して貯蓄なんかしたら保護受けられへん。だから毎月使い切るんですわ」

物価の安さは折り紙付き。西成には、受給者たちが生きて行ける環境が整っている

 どうやら就労する気はさらさらなさそうだ。

 さて、記者が受給者たちと区役所の敷地外で話を聞いている際も、区役所横に停まっている車のなかでは生活保護費の入った封筒を封切りせずそのまま受け取る男性や、封切りし保護費を数え、電卓で何やら計算の後、保護費をいくらか抜き取り、それを受給者と思しき人に手渡す様子が窺える。

ヤミ金だけではない!
受給者に群がる黒い業者たち

 これらを見ているとそのすべてが“借金取り”という雰囲気でもなさそうだ。いったい彼らは何者なのか。記者が疑問に思ってじっとその様子を見ていると60歳代と思しき男性が近づいてきて、こっそり教えてくれた。

「あれはホームレスを“保護(生活保護受給者のこと)”に仕立てて、そいつらから受給費の一部を“世話料”として取っとるとちゃうかな?まあ、関わらんほうが身のためや思うで」

 続けて彼は、区役所における保護費手渡しという制度上の“穴”について次のように語った。

「区役所4階もな…。名前と生年月日だけ言えば受給費渡しよるもん。大勢の人間が保護費もらいに来るやろ?せやから職員かてホンマに受給者本人かどうかわからんと思うで。なかには他人が受給費もろうてるゆうこともあるんとちゃうやろか?“貧困ビジネス”ちゅうもんが成り立つわけよ」

 生活保護費支給日に大阪市西成区役所に横付けされる車は、トイチ、トニのヤミ金融や貧困ビジネス業者と思われるそれだけではない。何人かの受給者と思しき人たちを乗せてどこかへ行く車もあった。この車はいったい何なのだろうか。