たとえばTeach for America(TFA)。これは、一流大学の卒業者を、教員免許の有無にかかわらず、大学卒業から2年間、米国各地の教育環境に恵まれない地域の公立学校に常勤講師として赴任させるプログラムです。

 なぜ学生はそうした困難を買って出るのでしょうか?それが類稀なトレーニングになるからです。そこでの貴重な経験をきっかけに、その後、様々な形で社会貢献の道に進む。それこそCSVという観点を磨き、ビジネスパーソンや社会起業家になっていくのです。

 米国でも、国連職員や政府関係で働きたいという人が増えています。日本ではこうした傾向を安定志向ととらえがちですが、決してそうではありません。まさに社会人材志向なのです。世の中の役に立つような仕事をしたい。そうしたキャリアを積んでいきたいと思っている人が急増しているのです。

 一流企業に就職した若者でも、行く行くは社会企業家として独立したいと思っている人が増えています。社会人材としての生き方が当たり前化しようとしているように私には見えます。

 成熟化社会になると、多くが社会志向性を高めることによって、社会全体のコストが下がる傾向になると思います。この世界的な潮流は確実に進んでおり、後戻りはしないと思います。読者の皆さんには、そうした潮流を恐れることなく、先兵として、いち早くその流れに飛び込んでいただきたいと思います。

 そうすれば、自らの健康寿命も、職業寿命も延びるわけです。究極の利己です。「徳」を突き詰めれば、自分に必ず「得」が返ってきます。社会と自分のために、ぜひ飛び込んでみてください。