新築マンションの適正価格を徹底検証
中古が値上がりしたのは「あの売主」

 首都圏では、平均すると築6.5年が経過していて、-3%とほぼ新築時価格で売り出されている。成約ベースの価格はここから約10%落ちるので、「(-3%-10%)÷6.5年=-2%/年」ということになる。その中にあって、実質値上がりした売主が1つあり、それが新日鉄興和不動産で、主なブランド名は「Livio」(リビオ)になる。新築時に4600万円ほどだったものが、約500万円値上がりした価格で売りに出されている。

 このコラムでは紙幅の都合上、中古騰落率がプラスだった売主とブランドだけを掲載している。その他の売主・ブランドについては、「住まいサーフィン」の特設ページを参照されたい。

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 このランキングは時代を反映する傾向が強い。過去には、プロパストという都心に近いが比較的地価の安いエリアで、デザインを凝らした物件を提供していた会社がトップを取っていた時期もある。以降、郊外物件が主流だった藤和不動産などとの統合前の三菱地所は都心物件の割合が多く、中古価格が堅調であった。その後は、グランスイートブランドの丸紅が都心好立地が続き、1位を獲得していた。

 今回の新日鉄興和不動産は、新日鉄住金グループの新日鉄都市開発と都心のオフィス・賃貸住宅開発の得意な興和不動産が統合した会社である。分譲マンションブランドはLivio(リビオ)、賃貸マンションブランドではハイエンド仕様のHOMATシリーズを多く手がけた実績がある。

 リーマンショック前の新興系のデベロッパーが多数いた時代から、金融危機後に分譲マンション市場は財閥・大手中心の市場と様変わりしている。前述の順位に見るように、2位は東急不動産、3位は三井不動産レジデンシャルなど、メジャー7といわれる事業者が上位7社のうち6社を占めている。シェアが高いというだけでなく、安定資産を多く供給しているのが大手デベロッパーと位置づけることができる。

 このランキングにおいて、メジャー7に食い込むように、みずほ銀行グループと新日鐵グループのバックボーンによる安定した経営基盤があるので、新日鉄興和不動産が市場の中での存在感が増していると言っても過言ではない。都心・駅近・タワー・大規模・再開発・ファミリータイプが多く、資産価値が安定している物件属性となっており、対象の32棟のうち23棟が値上がりしているので、物件のばらつきも少ないという安心感がある。