避けられない価格競争

 “光熱費”争奪戦で勝負を分けるのは、やはり価格になりそうだ。供給するガス自体の品質で差別化を図ることはできないためだ。

「できるだけ安い価格で提供する」(小早川智明・東電EP社長)、「(東京ガスの現在の料金よりも)10%は安くするつもり」(和田眞治・日本瓦斯社長)と攻め手からは挑戦的なコメントが相次ぐ。

 それに対して「ガスは機器の保安などサービスがものをいう。電力と違い単純な価格競争にはならない」と東京ガス幹部は強がるが、関電の戦略を見ても価格競争は避けられそうにない。

 事業者にとっては、価格競争力が生き残りの鍵となる。ガスの原料であるLNG(液化天然ガス)の輸入量を電力会社とガス会社で比較すると、電力会社の方が多いことがほとんどだ。スケールメリットを生かして安く仕入れられる調達力があり、それをガス料金の低廉化へつなげられる。

 そんな電力会社とガス会社の“地力の差”を認識して、大手都市ガス会社からは「電力会社とまともに戦ったらつぶされる」という声も漏れる。

 広瀬東京ガス社長は、LNGはいずれ国内2~3陣営で共同調達することになるという見方を示しており、“光熱費”争奪戦は大規模な業界再編の引き金にもなりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)