2017年の原油相場はどのような展開となるだろうか。

 OPEC(石油輸出国機構)は、昨年11月末の総会で日量約120万バレルの減産で合意し、12月10日にはロシアなど非OPEC産油国も同55.8万バレルの減産で合意した。事前にはOPEC内での国別生産割り当ての調整でも難航が見込まれていたのに反して、減産で最終合意しただけでなく、非OPECからも協調減産を引き出せたため、需給引き締まり観測が強まり、原油相場は上昇した。

 1月からは合意された減産が開始される。すでに12月から、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦は、米欧の製油所に対して、1月分から供給を削減するとの通知を行っている。

 しかし、実際にどれほど需給が引き締まるのかは予断を許さない。OPECの減産合意の対象外となったナイジェリアやリビアの原油生産には、このところ上向く兆しがある。特にリビアでは、武装勢力との交渉が進展し、困難だとみられていた重要パイプラインの再開にめどが立ったため、3月ごろにかけて27万バレルを増産できる見込みだ。

 最近の原油高を受けて、油田開発の先行指標である石油掘削リグの稼働件数が増加していることからすると、米国のシェールオイルの生産量が増加する可能性もある。