また、もう一人は、外資系のファンドマネジャーの方だった。海外出張が多く、「海外でのビジネスの際に必要なスーツを」というご依頼だった。そこで、シルク混で光沢のある、高級感のあるスーツを選んだ。シルクが10%でも入ると、生地の光沢は増すものだが、ネイビーよりもグレーの方が、より光り方が強くなる。

 海外、特にニューヨークなどでは、グレーは「アッパークラスの人が着ている」「成功した人が着る」というイメージがあり、ある程度「はったり」を利かせたい時には有効な色だ。

 そこで、この方には、チャコールグレーのスーツに淡いブルー(青=アズーロ)のシャツ、茶色(マローネ)のネクタイという、イタリアで「おしゃれの王道」の色合わせといわれる「アズーロ・エ・マローネ」(「青と茶色」という意味)でスタイリングをした。

 エグゼクティブになり、「箔」をつけたい時には、グレーのスーツは有効なのだ。

「シャドーストライプ」は
品格を感じさせる

 ところで、まれに茶系のスーツを着ている人を見かける。しかし、茶色は黄色人種である日本人には顔映りがあまりよくない色だ。この色を着ると、顔色が余計にくすんで見えてしまい、ビジネスで必要な「清潔感」が損なわれてしまうことがほとんど。

 茶系は、上級者でないと着こなすのは難しく、よほどの高級素材のスーツで、ネクタイも注意して選ばないと、陳腐な着こなしになることが多い。

 また、スーツの柄にストライプを選ぶのであれば、幅が太いほど、そして「生地」と「ストライプ」の色が離れるほど「トレンド寄り、おしゃれ」という印象になる。

 ストライプは目立たない方がシャツやネクタイと合わせやすく、品もよくなる。堅い職業の方であれば、スーツは無地を選べば間違いがないだろう。

 ただし、よく見ると織りがストライプになっていると気づく「シャドーストライプ」であれば、「品格」を感じさせるのでお勧めできる。

 無地やシャドーストライプのダークネイビーのスーツは、ネクタイの色柄を選ばないという点でも優秀だ。特に、白のシャツにダークネイビーのジャケットと同系色のネクタイをしめれば、男を最も精悍に見せてくれる「定番スーツスタイル」が完成する。

 もしくは、同系色で幅が太めの2色のストライプのネクタイを合わせるのは、「大人のスタイリング」として、エグゼクティブの人にお勧めのスタイリングだ。