しかも、2012年以降も深センの発展はまだ続いていて、今なら上の風景の中に、世界最大のドローン企業DJIのフラッグシップショップが見えるはずだ。中国全土から稼ぎたい若者が押し寄せ、毎年新しい地下鉄の路線が通っている。この2年で深センは6本の地下鉄が開通し、路線図は倍以上になった。この10年で増えた人口は400万人以上、横浜やロサンゼルスまるごとに匹敵する規模で拡大しているのだ。

深センの地下鉄の比較。左は2014年に購入した地下鉄カード、1〜5号線しか通っていない。右は2016年のもの。11号線まで掲載されている

道ばたの露店でもスマホ決済
未来を生きる住人たち

 人々の暮らし向きも急速に変化し続けている。現在、深センで暮らす人たちの祖父の時代、中国は文化大革命期であり、都市部のインテリ青年は農村での肉体労働に下放されていて、深センには本当に何もなかった。それが今、深センでは電化されたバスや電気自動車は珍しくないし、自転車より電気スクーターを見かけるほうが多い。

 道ばたで果物を売る老人もスマホを手にしていて、決済はすべて電子決済。ぼくは深センでは、他の旅行者と割り勘するときぐらいしか財布を取り出す機会がない。

道ばたの果物の量り売りでも、スマホと電子決済で払うことができる

 目にする自転車は大半がシェア自転車で、スマホでロックが解除できる。クレジットカードやPCでのインターネット、電子メールといったこれまでの発展の歴史をすっ飛ばして、いきなり最新のテクノロジーが普及したことにより、過去のレガシーにいっさい配慮しなくていい発展が街の隅々まで行き渡っている。

並んでいるのはさまざまなサービスのシェア自転車。GPSとインターネット常時接続が組み込まれていて、スマホでチェックインし、どこで借りてどこで乗り捨ててもいい