新興国通貨は2極分化

 新興国通貨は基本的には、米ドルに資金が向かい「ミニ通貨危機」状態になっている。特に最もトランプノミクスで影響を受けたのはメキシコである。新興国であるということと、トランプが見直しを計画中のNAFTA(北米自由貿易協定)の参加国で、景気悪化が予想され、メキシコペソは暴落し、史上最安値を更新している。通貨当局はもちろん為替介入をするも、下落を止めることはできず、景気が悪いにもかかわらず金利を引き上げるという苦渋の決断をした。

 一方、トランプノミクスにある規制緩和項目により、シェールオイルの増産が見込まれている。そのような背景があるため、OPECとロシアは歴史的な減産合意に至り、原油価格もWTIで55ドル近辺まで上昇している。

 実は、原油価格の動きは他の資源価格とほぼ連動している。そのため、新興国の中でも資源国の通貨は持ち直しの様相を呈している。一方、資源国でない新興国、とくにトルコなどの政治リスクがある国の通貨は、下落せざるを得ない。しかし、東南アジア(ASEAN)の国々はそもそも外貨準備も潤沢であり(除くマレーシア)、アジア通貨危機の時に構築した資金貸借網(チェンマイ・イニティアティブ:CMI)があるため、下落には耐えられるであろう。