株式市場には、乱高下を意味する「申酉(さるとり)騒ぐ」という“格言”がある。今年の1月4日の大発会では、日経平均株価が2016年末比479円高の1万9594円となった。大発会としては1996年に付けた749円高に次ぐ上げ幅だ。
背景にあるのは円安と、世界経済の緩やかな回復。財政出動と減税によるトランプノミクスから、米国景気の一層の拡大が期待される。米国が世界経済をけん引する。原油価格は下げ止まって緩やかに回復し、半導体の市況も昨年秋以降、回復している。
16年12月に利上げしたFRB(米連邦準備制度理事会)は17年についても利上げを継続する見込みで、回数については「ドットチャート(FRB幹部による政策金利見通しを分布図にしたもの)では3回だが、年央と年末の2回が現実的だ」(加藤出・東短リサーチ社長)とみられている。
世界景気拡大見通しから、市場はリスクオン(株式などのリスクを選好する投資行動)に振れ、日本株にも世界のマネーが流れ込んでいる。
日米金利差はさらに拡大するとみられ、為替はドル高円安基調。円安は輸出企業の収益改善につながる。「17年度の経常増益率は12%」(野村證券)などの予想もある。市場では、日経平均2万円超えを期待する声も出てきた。