16年7月25日の本欄で「売られ過ぎた景気敏感・低PBR銘柄に投資機会あり」と題してこの問題を取り上げ「投資家マインドがあまりにも悲観に傾いた」とみていた。外国人投資家はそれまでの12カ月で13兆円(現物+先物)の売り越しだったことがその証左だ。今はどうだろうか。外国人投資家は16年9月末から買い越しに転じ、過去4カ月で約4.2兆円の買い越しとなっている。

 年間のETF(上場投資信託)買い越し額を6兆円に増額した日銀の株価下支え策が効果を発揮していることもあるだろうが、トランプ氏の大統領選勝利後、米国経済回復→米国金利上昇→ドル高円安という論理で見方が円安に変わり、買われた面が大きかった。両グラフで明らかなように、売られ過ぎた景気敏感株、低PBR株は日経平均を上回る勢いで上昇した。

 もし、ここから株価が一時的にせよ下落すれば、それは円高と外国人投資家の売り越しを伴うことになるだろう。そのときに見るべき指標は日経平均がどこまで下がったのかではなく、何がどこまで売られたのかということである。

 もし、景気敏感株と低PBR株が再度売られることがあれば、それは世界経済に対する懸念であり、中央銀行がその対応策を取れるのかが問題になる。17年も株式市場を一面的に見ることは危険だ。

(UBS証券ウェルス・マネジメント本部ジャパンエクイティリサーチヘッド 居林 通)