未曾有の大災害が東北・関東地方を襲った。着の身着のままで避難せざるを得ず、住居や家財、現金を失い、お金の問題で様々な不安を抱かれている被災者の方も多いと思われる。そうした方々や支援者の方々が今すぐに役立てられるマネーの知識を、独立系ファイナンシャルプランナー集団「生活設計塾クルー」のメンバーが全6回のリレー形式でお伝えする。

チェーンメール、ツイッターでの
デマ情報を見極めるポイントは

 この度の東北地方太平洋沖地震で被災し、亡くなられた方々には心から哀悼の意を表します。また、ご遺族の方々、避難生活を送っておられる方々に心よりお見舞い申し上げます。

 言葉を失うほどの大自然災害に16年前を思い出す。東京で生活する私だが、実家は阪神淡路大震災の被災地域で、見慣れた街の変わり果てた映像に心が破れる思いだった。今ほど携帯電話やインターネットが普及していない時代だったから、固定電話で連絡をとる努力をするしかなく、家族の無事が確認できるまで生きた心地がしなかったものだ。

 今回、つながりにくかったとはいえ携帯電話が普及し、ツイッターや災害用伝言ダイヤル等、安否を確認する手段が格段に増えている。便利になって結構だが、心ない一部の者がネットを悪用しているという現実もあり、要注意だ。

 すでに複数のデマ情報が、ツイッターなどを通してバラまかれており、問題になっている。私のところにもすぐに「千葉の製油所の火災の影響で化学薬品の含まれた雨が降る」、「関東の電気の備蓄が底をつくらしく、中部電力や関西電力からも送電を行うらしい」の2通のチェーンメールが来た。

 いずれも、「コスモ石油に務める友人のお父さんから教えてもらった」、「関西電力で働いている友人から」とインサイダー情報を装っているため、状況が状況だけに受け取ったほうは本気にしがちだ。またいずれも、「多くの人に知らせて」「情報拡散を希望します」と、転送をうながすよう結ばれている。私に送ってきた2人は、緊急事態を知らせたいと本当に善意で転送したわけで、人の心を弄ぶデマの発信元には怒りを感じる。