なぜ「計画停電」を実施しなければならないのか。なぜ政府と東京電力による愚かなプロパガンダに易々と騙されているのか。

 電力会社をスポンサーとし、批判精神を失った大手マスコミに何かを期待するのが馬鹿らしい。だが、日本では、思考停止に陥って久しい彼らこそが影響力を持って、愚かな政策を国民に呼びかけている。

 停電の前に節電だろう。順番が違う。停電をして経済活動を止めることほどばかげたことはない。その結果、復興は遅れ、場合によっては救援活動すら妨げることになる。いや、実際にそうなっている。

被災地へ向かうトラックの整備、
人工透析装置…停電が命取りに

 地震直後から、筆者は東京FMの緊急特番に出演し続けている。最初は5時間、その後、3時間、3時間と被災地のFM放送局記者らと結び、ツイッターを連動させ、被災者の声を全国に届けて続けている。

 そこに寄せられる声は切実だ。「水がほしい」という切実な声の次に多い声が「電気」である。暗く凍てつく被災地では、電気こそが「命のつながり」(ライフライン)になっている。

 明かりが灯され、暖を取ることができ、携帯電話などで家族・親戚とつながり、生きるための情報を得ることができるのだ。

 だが、その「命のつながり」を政府と電力会社が自ら断ち切ろうとしている。それが愚かな「計画停電」だ。

 東京郊外のトラック整備会社の社員から次のようなメールをもらった。

「被災地へ向かうトラックを整備しているが、停電のために作業中断を余儀なくされている。支援物資を載せたまま、出発を待っている状態だ。本当に困る」