残業や長時間労働が問題視されている。「深夜残業は当たり前」と言われた住宅の営業マンだった筆者も深夜残業を余儀なくされていた。ところが、仕事への取り組み時間を「ツーステップ」に変えてから、不毛な残業がガクンと減った。その方法について、経験を交えて解説する。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)

ノルマと仕事は増えるのに
「残業するな」の矛盾

 ここ最近、ニュースなどで残業問題が取り上げられることが多くなった。

 コンプライアンスや人件費の問題により、残業時間を減らす企業が増えている。
 それはいいことなのだが、問題は仕事量が変わらないことだ。特に営業職では、ノルマはそのまま、もしくは増えているなんてことも珍しくはない。むしろ、仕事はどんどん増えていくといった状況だろう。

 会社サイドの対策として「水曜日はノー残業デー」「20時になったら自動的に会社の電源が落ちる」などをしている。中には「ノー残業デーに残業をすると罰則がある」という会社もある。

 こういった対策は《今日はノー残業デーだから早く帰ろう》という意識を植え付けられる。しかし、根本的な解決にはならない。

 多くのビジネスマンは「ファミレスか家に帰って残りの仕事をしていますよ」と愚痴をこぼしている。それが実態だろう。つまり、規制や罰を与えるだけでは残業の問題は改善しない。